インデックス>読書感想文 目次>新井素子
タイトル
評価
一言メモ
ハツピーバースディ
うな
ホラーみたいだけど変な話。
二分割幽霊綺譚
うな
新井素子らしいリアリティーのなさ
単行本未収録作品等
ハッピーバースディ うな
ハッピー・バースディ (角川文庫)
新井 素子
角川書店
なんだこれ? ジャンル分け不能。長編。
すっごく変なはなしだった。
夫が死んでしまった女流作家の狂気を描いた話……と説明してしまえばホラーそのものなんだが、ホラーで終わらせずにひねりを加えてある。
そのこと自体はさすがなんだが、そのひねり方が、変。
おかげでなんともいいがたい小説になってしまった。
いつもの新井素子文体なので、読みやすいような読みにくいような。
ただ、新井素子は変な人だなあ、この先どんな変なの書くのかなあ、という気にさせる一品ではあったので、ある意味必読。
この人は、アイディアじゃなくて、感性がおもしろいんだよな。
二分割幽霊綺譚 うな
二分割幽霊綺譚 (講談社文庫)
新井 素子
講談社
最初の100ページは、かなり面白く読めた。
もう唐突に出てくる設定のデタラメなこと(ほめ言葉)
仮性半陰陽の主人公、美少女吸血鬼、異次元とつながっているアパート、巨大モグラとモグラの女王様、あなぐらいっぱい数万匹のみみず、出だしの方で死ぬ主人公、しかもシチューにされて友達に食われる主人公、たてまっぷたつに分かれた幽霊になる主人公。
たたみかけるように最初の100ページに詰めこまれていて、こりゃお得だね!
の、わりに、わりと途中からぐだくだで、ちっちゃくまとまっていてぐんなり。
うーん、あれだね、この当時ね、色気づいていたのが悪い方向に作用してしまっているよね、うん。旦那と付き合っていた頃に書いた話だしさ。
ぶっちゃけ、女性作家ってさ、わりと男の趣味で左右されるところって、あるよね。
新井素子の男の趣味ってさ、あんまりよくない……いや、よくないわけじゃないんだが、良すぎるというか……
誠実で、二枚目じゃなくて、あんまり強くなくて、不器用で、優しくて、善良で、馬鹿じゃなくて、でもあんまり利口じゃなくて、誠実で、誠実で、誠実で、まあ誠実で、簡単に云えば、友和さんみたいな男がタイプみたいなんだよね、彼女。つまり、凡庸なつまらない男が。
だからして、あんまり、男がストーリーに絡んでくると、面白くないというか、男いらないというか、どうでもいいというか。
その辺を自覚しているのか天然なのか、恋人はいるけど登場しない、あるいは脇役、という話が多いよね。
だらだらとわき道にそれまくったのでとっとと結論を云うと、まあ、残念賞だったかな。
新井素子はコメディやドタバタで自作『……絶句』を超えられないのがなー。
かといってあれは反則連発の一発ネタだしな。
単行本未収録作品等
あした(アンソロジー『2001』収録) う
落ちてないじゃん!
2001
早川書房
これ全然落ちてないじゃん!