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浅井ラボ

タイトル 評価 一言メモ
されど罪人は竜と踊る うな 厨二全開ファンタジー開幕。
灰よ、竜に告げよ されど罪人は竜と踊る2 うな 厨二病、さらに進行
災厄の一日 されど罪人は竜と踊る3 厨二ファンタジー短編集
くちづけでは長く、愛には短すぎて されど罪人は竜と踊る4 うな いつも元気に中二です
そして楽園はあまりに永く されど罪人は竜と踊る5 うな 厨二もここまでいけば立派
されど罪人は竜と踊る6 うな  
まどろむように君と されど罪人は竜と踊る7 うな  
されど罪人は竜と踊るasarut うな  





  されど罪人は竜と踊る  うな

されど罪人は竜と踊る (角川スニーカー文庫)
浅井 ラボ
角川書店


 



長編ラノベ。
ファンタジー、つうかFF的世界観というか。

咒式という、科学と魔術を合わせたような技術が普及している世界。
主人公ガユスと相棒ギギナはお役所の下働きでモンスター退治みたいなことをしていた。
ある日、依頼を受けて出向いた先にいたのは、巨大な竜。
苦戦しながらも竜を退治する二人だったが、それが原因で巨大な陰謀劇にまきこまれることに……

とにかく設定がうざい。
細かく設定されているのはいいことなんだが、説明の仕方が悪い。
特に咒式はややこしすぎる。
簡単に云うと化学ガスを発生させたりアドレナリンを放出させたり核爆発を起こしたりといった、化学で実現されていることを、化学式はそのままに、なんかよくわからない技術によって魔法のようにつかえるというもの。
だから、単なる魔法の設定をひねくれて化学にあてはめているだけといえばだけなんだが、単純な呪文だとか魔力だとかするよりは、遥かに説得力はある。

あるんだが、その化学式をずっと書きつられられても、理系知識のまったくないぼくには辛い。
出来上がる技名が「雷霆鞭(フュル・フー)」だとか「轟重冥黒孔濤(ベヘ・モー)」だとかあげくに「重霊子殻獄瞋焔覇(パー・イー・モーン)」とか、なんというか、あ、でも、これバスタードか、このセンス。
じゃあいいや。小学生のころ、意味もなくべノンやハーロ・イーンの呪文覚えたりしたし。
こういうの好きな人はいるよね。

咒式の設定だけでなく、国の設定とかもいちいちしつこく、そのくせ銃も車もあるのに世界観は王国制で妙に古臭かったり、ちぐはぐな部分が目立って困る。
文章も説明下手に加え、どうにも根本的に文章を書きなれていない感があり、めちゃくちゃである。
が、偏執狂的な設定の徹底は良くも悪くも独自のアトモスフィアを形成しており、めちゃくちゃな文法は勢いをもってもいて、それが魅力的な部分も大きい。

特にメインとなる主人公二人の罵倒の掛け合いは、よくもまあこれだけ豊穣な罵声が思いつけるものだと思うほどで、設定云々を抜きにしても、このキャラ二人の掛け合いだけで十分に面白い。
というよりは、普通の設定にしたほうが面白かったんじゃないか?
(相棒がどう見てもセフィロスなんだけど)

ストーリーも、長さの割にはごちゃごちゃしているばかりだったし、
オチも説明くさくてどうかと思ったが、基本のストーリー自体は悪くない。
超人ばかりの世界を描写したのちに、本当に恐ろしいのは力なき凡人の頭脳であるという、そのストーリーは好きだ。

うーん、正味なところ、面白かったんだかつまらなかったんだかわからん。
「咒式」という世界観をベースにしながら、むしろ人間関係や政争をメインにすえるあたり、『鋼の錬金術師』とよく似ていて、しかしわかりやすく好感のもたれやすいハガレンとはまったく逆、わかりにくくついていけない。しかしコアなファンがつきそう。

勢いとオリジナリティ(パクリを込みで全部一緒くたに詰め込むあたり)は感じたので、機会があれば続きも読んでみようかのう

(06/12/1)







  灰よ、竜に告げよ されど罪人は竜と踊る2  うな

灰よ、竜に告げよ―されど罪人は竜と踊る〈2〉 (角川スニーカー文庫)
浅井 ラボ
角川書店


 



ラノベの二巻。

中二病全開。
あまりにも、あまりにも中二病過ぎる。
ここまで中二病臭い作品、あんまり見ない。
そこが良かった。
えーと、終わり。

(07/10/27)







  災厄の一日 されど罪人は竜と踊る3  う

災厄の一日―されど罪人は竜と踊る〈3〉 (角川スニーカー文庫)
浅井 ラボ
角川書店


 



ラノベファンタジー。見ての通りの第三巻
今回は短編集だった。意外。

★『翅の残照』
★『道化の予言』
★『黒衣の福音』
ガユスとギギナの主人公コンビがいつものように引き受けた仕事で、いろいろあって、ああ欝だ、といういつものノリ。


★『禁じられた数字』
レギュラー陣による危険な数字遊びを語るコメディ。


★『始まりのはばたき』
非力な人間だけどもっともな厄介な策謀家、枢機卿長モルディーンとその配下である人類最強の戦士十二翼将の日常を語る。
最初の三篇は、ノリは長編と同じなだけに、短編では精神的な追い詰められ方が足りない上に、最後に「欝だ欝だ」と云っているシーンが無駄に長くて切れ味が悪い。短編と長編でもっと書き方を変えろよな、と思った。
コメディである「禁じられた数字」は、単純な話なのにわかりにくいし、あんまり笑えなかったのでいまいち。
「始まりのはばたき」は、それなりに面白かったといえなくもないが、それは最強クラスのキャラが数人、初めて披露されたからで、ストーリー自体は特になにもなかった。

シリーズの中間で一休み的なインターミッションとしては、そこまで悪いとは言わないが、一冊の本としては、あまり楽しめる内容ではなかった。
細かい日常を書けば書くほど、世界観がよくわからんなくなって面倒くさくなる。まあ、全部FFだと思えば解決するからいいっちゃいいんだけどさ。

それにしても、イラストなんとかならんかなあ、と思いながら三巻まで来てしまったが、本当になんとかならんかなあ。カラーはまだギリで許せるとして、白黒の口絵がなんともまた。
内容の路線とまったく違う画風とかなら見てみぬふりも出来るんだが、がんばって作品にあわせている上に違和感があるから、なんかかわいそうな感じがしてしまって困るんだよ。

(07/11/21)







  くちづけでは長く、愛には短すぎて されど罪人は竜と踊る4  うな

くちづけでは長く、愛には短すぎて―されど罪人は竜と踊る〈4〉 (角川スニーカー文庫)
浅井 ラボ
角川書店


 



ラノベの長編ファンタジーの四巻。

いまだに世界観がつかめねー。
どこまで現代なんだよ、本当に。
強いキャラがどんどん出てきてパワーバランスがわけわからんことになってるし、ストーリーの中心である恋人との関係が、やたらおセックスしてるわりには(つうかだからこそなのか)童貞の妄想にしか感じられず、それゆえに破局にまるで重さがないといううか。
新登場のロリキャラはベタかつ無理があるし。

でもまあ、すごくつおい人たちがしゃきーんしゃきーんと戦っているので、小難しいわりには馬鹿っぽくて良い。でも次巻に続くで終わったのはいただけない。

(07/12/24)







  そして楽園はあまりに永く されど罪人は竜と踊る5  うな

そして、楽園はあまりに永く―されど罪人は竜と踊る〈5〉 (角川スニーカー文庫)
浅井 ラボ
角川書店


 



ラノベファンタジーの五巻。

ひょんなことから記憶と身寄りのない少女アナピヤを拾ったガユスとギギナ。
わずかな記憶から、メトレーヤという都市を目指して旅立ったのだが、三人の前には謎の刺客が次々と現れ、少女を狙い、挙句は竜までが少女を求める。
その一方でガユスは恋人と破局を迎え、ギギナは同族の宿敵ユラヴィカと死闘を繰り広げる。
果たしてアナピヤの記憶に隠された真実とは? 

みたいなのが前巻のあらすじで、このエピソードは今巻で終了。
今までで一番長いエピソードだけあって、いや、読み応えはあった。
エロでグロで読みにくくてナルシズムと自虐の塊で鬱陶しい理系の理論と滑りまくったギャグといい加減なパワーバランスに彩られた、まさに完璧な中二病。はっきりとここまで中二病だと、もはや称えるしかない。
いや、バカにしているみたいだけど、ホント、ここまでやれれば凄いよ。寸分の隙もないもの。大人びた部分が皆無だもの。

で、毎回「黒幕は私でした」「と思ったら私でした」みたいなどんでん返しの連続があるんだが、今回のどんでん返しは連続しまくりで、感心するやらバカらしくなるやら、いや、素晴らしい。
今回は敵キャラとなる刺客が全員キャラだちしているのが良かった。ちゃんと死んだし。

それにしてもこの幼女レイプシーンとかバラバラスプラッタシーンとか、もっとこう、なんとか……まあ、エロゲーだと思えばいいのか。うん、そうだな、エロゲーだと思うとちょうどいいな、このシリーズ。
戦闘シーンもなにやってるかよくわからないので、エロゲーにして映像化しよう、うんそうしよう。

(08/1/11)







  追憶の欠片 されど罪人は竜と踊る6  うな

追憶の欠片―されど罪人は竜と踊る〈6〉 (角川スニーカー文庫)
浅井 ラボ
角川書店


 









  まどろむように君と されど罪人は竜と踊る7  うな

まどろむように君と―されど罪人は竜と踊る〈7〉 角川スニーカー文庫
浅井ラボ
角川書店


 



ラノベファンタジーの七巻。
短編集。

なんかいいかげんな気持ちで読み続けてきたんだが、いかん、面白いような気がしてきた。いや、いけなかないんだが、早晩息切れするだろうと思っていた中二臭さも、ここまで徹底されていると称揚したくなる。
特に今巻最後の一遍『翼の在り処』では、今まで少しずつしか出てこなかった十二翼将が全員登場。
そろいもそろって変態じみた能力と人格をさらす様は今川アニメの様相をていし、たまらんものがある。
特に思い込みだけで無敵の巨人シザリオスや、RPGでよくある「謎の神様を召還して斬る」というエフェクトをそのままにやってしまう筆頭翼将サナダがたまらない。なかなか正気じゃ書けないよ、このキャラたちは。
文章も、戦闘に関わらない部分は以前より読みやすくなっているし、ギャグの滑り方はちょっとアレだが、まあ慣れてきた。
なんだかんだいって、ちゃんと各短編に相応のオチがついているのは偉い。
ここまできたんだし、あきらめて全部読むことにしようかな。

(08/2/22)







  されど罪人は竜と踊るAssault  うな

されど罪人は竜と踊る Assault (角川スニーカー文庫)
浅井 ラボ
角川書店


 










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