タイトル | 評価 | 一言メモ |
不安な童話 | うな | なんか普通 |
水晶の夜、翡翠の朝(アンソロジー『殺人鬼の放課後』収録) | う | パチモン臭全開 |
「本当は残酷なグリム童話」みたいな短編集と思い込んでたら、長編ミステリーだった。 あらすじ なにげなく二十年前に夭折した女流画家の展覧会に行ったところ、なぜか初公開のその絵には見覚えがあり、しかも恐怖を感じて昏倒してしまう主人公。 翌日たずねてきた画家の息子は「あなたは母の生まれ変わりではないですか?」という。 実は女流画家は惨殺され、犯人は見つかっていないというのだ。 果たして、彼女は生まれ変わっているのか? 事件の真相はいったい? おれ、根拠もなく恩田陸って馬鹿にしてるんだよね。 ほら、なんか、ちょっと詩的で幻想的な作風ですよー、とでもいいたげな感じが、装丁とかタイトルとか作者名とかからびんびん伝わってきて、いけすかないですね状態だったのですよ。 そもそもなんだよ恩田陸ってその名前。 「おんだりく」ってその響きは、おれの中では「オン・ダリク」って感じだよ。 《オン・ダリク》 17世紀にフランスで暗躍したテロリストにして魔術師。 彼の指導するテロリスト集団《薔薇と山羊の死》はフランス全土に勢力を張っていたが、オレルアン公暗殺未遂の疑いにより、第三騎兵隊の襲撃を受け、団は壊滅。 ダリクも処刑されたが、死後、残党が死体を強奪。 すぐに残党はつかまったが、ダリクの死体はすでにどこにもなく、その後も見つかっていないため、ダリクは蘇って逃げたのだとも云われている。 書物に残されたダリクの容貌が、ロシアの怪掻ラスプーチンに酷似していることも、歴史家により指摘されており、一説によれば同一人物とも云われているが、真偽は定かではない っていう感じだよ、オン・ダリク! で、そんなデマはどうでもいいんですが。 まあ、普通の作品だったかなあ。 こまっかーい伏線がいっぱいあって、こまっかーく回収されていて、予測できないが、あまり魅力的でもなーい真実が浮かび上がってきました。 いや、つうかがんばって書いてるよ、うん。 詩情的なものはちっとも理解できなかったけど。 でもまあ、やっぱ恩田陸はどうでもいいや。 趣味じゃないの一言に尽きる。 (06/1/21)
一見上手そうに見える下手な人だな。 ギムナジウム物で「恐るべき子供たち」路線のような気がしないでもないんだが、とりあえず、舞台がどこら辺の国かまったくわからんので、困ったり困らなかったり。 美貌の主人公ヨハンの魔性を、作者が実感として捕らえていない感じ。完全に記号化されてる。 美少年は難しいのら。 |