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小野不由美

タイトル評価一言メモ
うな
華胥の幽夢 十二国記うな短編集。いつもの十二国記
悪夢の住む家 上・下 ゴーストハントシリーズ奇跡的な安っぽさ。
ゲームマシンはデイジーデイジーの歌をうたうかうなゲームエッセイ。腐であることをなかなか出さない小野先生にいらいら。





  タイトル







  華胥の幽夢 十二国記  うな

華胥の幽夢(ゆめ)―十二国記 (講談社X文庫―ホワイトハート)
小野 不由美,山田 章博
講談社





シリーズ。短編集。
いつもの奴です。
相変わらずクォリティはそれなりに高い。高いけど、カタルシスがない。

どうにもキャラの名前とか固有名詞が覚えられないから、読むたびに混乱する。
中国風なのがいけないのか? とも思うが、三国志は憶えられるしなあ。
漫画じゃないから顔と一致しないのがいかんのかもしれん。でもそんなこといったら他の小説もそうだしな……

ま、この作品は世界観を補強する話としては十分及第点。
けど、単品で一冊の本としてみるには、非常に不十分。
新規読者と古参読者を双方納得させねばならぬ。シリーズものとはかくも難しきものよ。






  悪夢の住む家 上・下  う

悪夢の棲む家 (下) ゴースト・ハント 講談社X文庫―ホワイトハート
小野 不由美
講談社





ホ、ホラー小説、な、なんだなあ。
近年ぼくの頭の中で評判が急下降中、小野先生の少女小説だよ。
いや、しかし、これは、なんだ。つまらなかった。

無駄にページ数が多く登場人物が多いのはこの人の手癖として許すとしてもだ。
全体的に安すぎる。
シャレんならんですよ。まさしく一山いくらの売文家と周囲に思われるようなやっすい内容。
基本は心霊ものであるが中途半端にミステリーっぽくもあり、結果、京極夏彦を頭悪くした感じの作品になったような。いや、そんなこと云っては京極夏彦に失礼だが。

ともかく、ホラー特有の安さと、少女小説らしい安さが融合した、とびっきりの安さ。
ついでにイラストレーターも安っぽい。ていうか、少女小説なのにエロマンガくさい。
そう云えばいま思い出したが、このイラストレーター(ちなみに小林瑞代という)はるか昔にウイングスに漫画載ってて、その時にも(やたら一人だけやおいくさくなくてエロくさいなあ)と思ったりしたことがあったなあ。敢えて云うなら萩原一至の絵を女が描いたらかくもあろうか、といったような。

あと、十二国記シリーズでは、その設定上中国風の名前になっていたからごまかされていたが、どうにもネーミングセンスがよろしくない。
まあ、十二国記でも主人公が中島陽子であったり、微妙さが漂っていたが、この話はあれだろ。ダメだろ。

列記すると
渋谷一也(主人公、十代にして博士である天才、かつサイキッカー兼サイコメトラー。傲岸不遜のナルシスト)
谷山麻衣(元気が資本の活発女子高生)
安原修(舌先三寸の一人少年探偵団)
滝川法生(軽いノリの長髪ボウズ)
原真砂子(美少女礼霊能女子高生)
松崎綾子(ボディコンシャーマン)

設定の安っぽさはおいておくにしても、どうにもキャラの名の字面、口にしたときの語感、性格との親和性、どれをとってもひどいもんだ。
特にシブヤカズヤって……変な韻踏んでるし……。
タニヤママイも「ま」が二つかぶって呼びにくいし……
適当につけた名前ならともかく、シリーズ物の主人公にこの名前って……

先生はどうかと思うなあ、この御本。






  ゲームマシンはデイジーデイジーの歌をうたうか  うな

ゲームマシンはデイジーデイジーの歌をうたうか
小野 不由美,水玉 蛍之丞
ソフトバンククリエイティブ





ゲームエッセイ。
92年〜95年の連載なので、その辺のこと。

前々から疑問ではあった。
微妙なやおいテイストをかもし出し続けていた小野不由美は、はたしてやおいっ子なのか、それともただの天然なのか?
し かし天然であの麒麟システムは思いつくものなのか?
(十二国記の世界では神様に選ばれたカップルが王様として治世をしなくてはいけない。しかしこのカップルは男女のみではなく、男男、女女の場合もある。二人は一蓮托生であるが、絶対に性的な干渉はない、というシステム)
で、このエッセイを読んで結論がでた。

こいつ、やおいっ子じゃねえか!
ファミコン版ファイエムをやってナバールを愛する時点で全てが知れるというもの。
しかもアニメオタクでもあるようだ。
うっかりすると劇場版スト2とか見に行ったりしてるし。
いいのか? それでいいのか?
ガンダムのアムロ一筋みたいだし。
本当にそれで良いのか? 

しかし、意外なことにどうやらカップリング主義ではなく、単体のキャラに惚れるタイプらしい。なるほど、だからやおい風味のキャラを量産しながらやおい風味の話にならんのだな。

それはともかく。 ゲーム好きだったんだな、この人。
そう云えばこの時代、やたらゲーム好きを標榜する文化人がいたりしたもんだなあ、とか思い出した。
この人の旦那の綾辻もFFが出るたびにファミ通に寄稿したりして。その親友の我孫子武丸はかまいちの夜の原作者だし。
そう考えるとこの人がゲーム好きなのは必然か。
いまでは宮部みゆきが微妙な推薦文を寄せたりして(おれの)失笑をかっているぐらいしか印象がないなあ。つまり、まあゲーム業界もすっかり景気が悪くなったんだろうな。あの頃のゲーム好きたちはいまもゲームをやっているのかね?

内容に関してだが、まあ、可もなく不可もなく。
つらつらと読めるが夢中になるわけでもなし。笑うわけでもなし。
エッセイストの実力としてはやや低めと評価せざるを得ないところかのう。

ただ、連載時期が、個人的にゲームが燦然と輝いていた時代であったため、懐かしさもあってわりと楽しくは読めた。
特に「サターンがどこも売り切れで手に入らない、サターンマダー」状態なのは、今読むとおかし哀しい。サターン……売り切れていたんだね……。
水玉の絵ッセイ(ていうかどう表現すればいいんだ? あの芸風は)も懐かしいのう。意味もなくところどころ出てくるライルとカブキとドモンに愛。そして哀。






  タイトル










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