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ベニー松山

タイトル 評価 一言メモ
隣り合わせの灰と青春 うなぎ ゲームノベライズの最高峰
司星者セイン 輝きを戴く者 うな 本格派ファンタジー
司星者セイン 魔都胎動 うな 第二弾。そして続きは出なさそう。
BASTARD!! 黒い虹T うな ダークシュナイダーの過去を語るノベライズ
BASTARD!! 黒い虹U うな 第二弾。そしてやっぱり続きは出なさそう





  隣り合わせの灰と青春  うなぎ







  司星者セイン 輝きを戴く者  うな

司星者セイン―輝きを戴く者 (集英社スーパーダッシュ文庫)
ベニー松山
集英社


 



長編ファンタジーの第一巻。何巻まで出てるのか知らんけど。

十数人の魔道王たちによって保たれていた平穏な時代は、ある日、突然、謎の力を手に入れた魔女アグナスによってやぷられた。
賢王ジノンの王国を奪った魔女王の反乱より15年……
ジノンの遺産を求め魔女王の領域に立ち入った女盗賊リリィは、そこで二人の人物に出会う。
一人は知性を持つ剣ロムライトを操る超剣士フォウ。
いま一人は記憶喪失の美貌の少年セイン。
三人の出会いが、いま、大陸の歴史を揺り動かす!

みたいな感じの、王道ストーリー。
いかにもゲームっぽい、ありがちな設定の数々を、もっともらしい理屈でさもありなん、と納得させる手腕は、さすがかつてウィザードリィのノベライズに大成功して名を馳せたベニ松。
オリジナリティはないが、うまいです。
ありがちな設定に、それなりに重厚で、しかしライトノベルの域を脱しない読みやすさ。
まだ一巻なので、どうともつかないが、面白くなりそうな感じだ。

しかし……これは明らかにファンの欲目だが……
グインっぽいよなあ。
まず記憶喪失で森に現れて、名前がセインで、ゾンビの軍団が襲ってきて、テレポート装置があって。
パクリとは全然違うが、なにか意識してるような気がしないでもないよなあ。
まあ、三浦健太郎といい、この辺の世代にとって、グインは特別な意味を持っていた(時期もある)と信じたい。
そんなぼくでした。








  司星者セイン 魔都胎動  うな

司星者セイン―魔都胎動 集英社スーパーダッシュ文庫
ベニー松山
集英社


 



長編ファンタジー第二巻。
魔女王アグナスが魔道王連合に対して侵略を再開し、ついに魔道大戦の火蓋が切って落とされる。
その前哨戦として、リリィがセインを祭り上げ、魔道王と連絡をとり、フォウが目覚めるまで。また、ズアグが九殲旗となり強大な力を手に入れるまで。

今回は、まさしく前哨戦というか、長くなる物語の、準備期間としての巻かな。
前半、徹底して描かれる九殲旗の絶対的な戦力と、魔女王の強大さ。
くどいが、なかなか悪くない。
ライバル的存在であるズアグを、ダークヒーローとしてもう一人の主人公のように扱い、魔女王軍の内部を描写しているのは、なかなかうまい構成だ。
本来のヒーローである、フォウがまだ全然内面を見せず、ヒーローとして物足りない状況を見事におぎなっている。
女盗賊リリィのキャラ作りもなかなかうまくいっている。
恋をすることと、情報戦の能力を描写することによって、ただの使い勝手のいい狂言回しから、ちゃんと主役の一人らしくなっている。
反面、セインはいまいち形だけ、みたいな感が抜けきらない。
まあ、そこにいるだけで崇めたくなるような神性、というのがなまなかに表現できるものではないのは、認めるが。

しかし、このシリーズ、挿絵が小林智美なので得している。
特にセインの美しさは、文章ではなく絵で納得させるものがある。
どうでもいいけど、セインはゼフィール王子から毒気を抜いたみたいなキャラだな。
ちゃんと今後も続きが出て、完結するのなら、なかなか面白いシリーズにはなりそうだ。
が、不思議と完結する気がまるでせぬ。いったい何故であろうか。

それにしても、一人でいいから、個人的にもっとひいきしたくなるようなキャラが出てくれば、もっとのめりこめるのに。
なんか惜しい気がする。

作者が肩に力入れすぎなのかもしれんね。
まあ、今後も続きが刊行されることを祈らせていただきます。ベニ松。

(06/6/15)







  BASTARD!! 黒い虹T  うな

BASTARD!!―黒い虹〈1〉 (集英社スーパーダッシュ文庫)
萩原 一至,ベニー松山
集英社


 



あのジャンプでやってたエロ漫画の外伝のノベライズ。
本編の百年前を描いた作品

強大な魔力によって既存の大陸を蹂躙し尽くした魔道士ダーク・シュナイダーが次に目指したのは、地図にない大陸、マーン=シヘッドであった。
軍に先んじて一人で乗り込んだD・Sは、そこでマーン=シヘッドの征服者、狂王バッハと遭遇するのだが……

あれ? これ本編より圧倒的に面白くない?
キャラも立ってるし迫力もあるし、魔法も勢いだけじゃなくて、どういう理屈で威力があるのかちゃんと書いてあるし、エロも無駄に過剰じゃない。
特にこの巻の終盤、DSまさかの敗北は、まさしく屈辱としかいいようのないド迫力であった。生きたまま臓物食われるってあなた。
さすがベニ松、同人小説を欠かせれば天下一品の腕前だ。素晴らしい。
続きが気になるぜ。
でも、どうせ完結してないんだろうなあ……(怖いから調べてない)

(07/5/17)







  BASTARD!! 黒い虹U  うな

BASTARD!!―黒い虹 (2) (集英社スーパーダッシュ文庫)
萩原 一至,ベニー松山
集英社


 



ジャンプでやってたエロ漫画の外伝のノベライズの二巻。

獣王バッハに敗れDSは死線をさまよっていた。
一方その頃、配下の四天王はDSのもとへ向かっていたが、その思惑はバラバラであった。
下克上をもくろむガイン。沈黙を守るシシ。なにかを企むギラン。
複雑な思惑が混ざり合う中、少女アナの介抱により、ついにDSは蘇るのであった。

まあ、一巻が起承転結の起だっので、この巻は承の部分なわけで。
DSが少女と心を通わせ、いかにして本編のような人間味を獲得しえたかのきっかけを描き、同時に敗れたがゆえのパワーアップもして、一方で配下の錯綜とする人間関係、獣王バッハとマーン=シヘッド大陸の内実を描き、まあ、要するに伏線しきまくりで、ストーリー自体はほとんど進んでない。
のだが、これがうまくまとまるなら、なかなか面白くなりそうだと思わせるものがある。

ただ、バトルシーン、魔法ならまだ幾ばくかの説得力があるんだが、肉弾戦は結局ドラゴンボールみたいなカメハメ波合戦だからいかんね、これ。
「アンバランスさをまるで感じさせない肉体」とか書いてある隣のイラストが、思いっきりアンバランスで吹いたりするし。
つか、全体的に萩原先生のイラストが萎えポイントになっているのがなんともまた。

続きが出ればいいよね。出ないだろうけどね。
いいから書けよバカ
<br> (07/5/23)










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