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藤田雅也

タイトル評価一言メモ
星の綿毛ガッカリ感あふれるSF





  星の綿毛  う

星の綿毛 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)
藤田 雅矢
早川書房





長編SF。

荒れ果てた砂漠の惑星を、巨大な銀色の球体<ハハ>が耕しながら移動する世界。
ハハのうしろに出来た緑の土地に依存し、ハハとともに移動を続けるムラの人々。
高い文明を持つトシと、そのトシのドウグを持ち出し、ムラとを行き来する交易人。
トシに憧れるムラの少年ニジダマは、ある日訪れた交易人ツキカゲの世話をすることになったのだが、ツキカゲはニジダマをトシへと誘う。
ニジダマは迷いながらもツキカゲについていくことにしたのだが……

という出だしで、主人公がニジダマではなくツキカゲの方だというのに面食らった。
おかげでなにもかもがわかりづらいわかりづらい。
SF的にはさー、いろいろ見所もあると思うんだよ。
空を飛ぶ翼魚。交易人の遺伝子を組替えるクロモサックとクロモチップ。人間を取り込むイロゴケグモ。大地を耕して進むハハ。
けっこうがんばってるんだと思う。

ただ、出だしで混乱させられてしまったせいで、最後まで入りこめなかったし、ネーミングを中心とした言語センスがまったく好きになれない。
ので、わりとつまらなかった。
アイデアは悪くないんだろうけどさ、もっとこう、話にわかりやすい一本の筋を通してくれよ。

(07/7/31)










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