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原宏一

タイトル評価一言メモ
床下仙人うななんか普通の短編集
うな





  床下仙人  うな


床下仙人 (祥伝社文庫)
原 宏一
祥伝社





新奇想小説とか書いてあるけど、要するに普通の短編集。
どれこれもサラリーマンネタなのが特徴か。

★『床下仙人』 ようやく購入したマイホームに棲みついている謎の仙人
★『てんぷら社員』 突然転勤してきた謎の中年サラリーマンの正体は?
★『派遣社長』 いまや社長も派遣されてくる時代?
★『戦争管理組合』 えーと、よく覚えてない
★『シューシャイン・ギャング』 リストラ中年と家なし娘の奇妙な商売
以上五編収録。

いずれもサラリーマンの悲哀を、微妙にありえない感じにしつつ、ちょっと面白おかしく書いた作品で、星新一のショートショート的な着想を、そのまま味付けせずに短編に伸ばしてしまった感じ。
ショートショートだから許される「ないな……いやでもあるかも」という感じが、変に長いせいで「ねーよw」の一言で終わってしまう感じで、それなりに面白いアイデアではあるのかもしれないが、どうもこの味付けはどうかと思う。
着想の面白さを物語にふくらませてない感じなんだよな。短編なんだからそれでも成り立つっちゃ成り立つのかもしれないが……うーん、要はサラリーマンネタなので辛気臭く貧乏くさいのが好きじゃないだけかなw

いや『ショージくん』とかみたいに、小市民のせせこましさやいじらしさをえぐってくれればそれはそれで愛らしい作品なんだけど、どうにも普通のサラリーマンが普通に辛そうなだけなので、なんか本当、辛気臭い。べつにオチが暗いわけでもないのに、なんか辛気臭い。作者の身についてしまった臭いかなー。

文章も星新一ばりに(あそこまで徹底して脱臭漂白してないけど)無味無臭で読みやすくはあるし、着想も現代(つうにはちと古い気がしないでもないが)っぽいし、それなりに楽しめて読めるとは思うが、べつにこの作者の作品を敢えて読みたいとは思わない感じ。

イッセー尾形がなぜか推薦文を書いてるが、うんまあ、確かに舞台にすれば面白いかもね。
設定的には、役者の面白さが出せる題材だとは思う。

(2009/1/24)





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