タイトル | 評価 | 一言メモ |
トリガーマン!1 2/5 | うな | 匍匐前進萌ゑる |
死に急ぐやつらの街 | うな | 無駄にハイスピードなハードボイルド/d> |
俺に撃たせろ! | うな | 異様にハイスピードなハードボイルド |
奥様はマジ | うな | くっだんないギャグ短編集 |
丸太の鷹 | うな | やはりくだらないギャグ短編集 |
大熱血。 未来放浪ガルディーン | うな | すちゃらかSF。ゆうきまさみと出渕豊が楽しそう |
大暴力。 未来放浪ガルディーン2 | うな | すちゃらかSF。 |
大豪快。 未来放浪ガルディーン3 | うな | 続ける気あったんかいw |
大出世。 未来放浪ガルディーン外伝 | うな | なにが本編でなにが外伝やら…… |
大ハード。 未来放浪ガルディーン外伝2 | うな | おまえそのタイトルやりたかっただけちゃうんかとw |
ファイナル・セーラー・クエスト完全版 | うな | 思い切りはいい。 |
ウィークエンド・ひーろー | うな | 解説が多すぎてむしろそっちがメイン |
たたかう天気予報 | う | いまいちなショートショート |
ニワトリはいつもハダシ | うな | いいかげんを極めた男のいいかげんな小説 |
単行本未収録作品等 |
ハードボイルド・ギャグ・SF。連作短編集。 くだらない。さして目新しくない(まあ、連載されていたのが87年らしいが)別にそんなに笑えない。 が、小説において、これだけハイスピードな作品はそうはない。 あっちこっちの描写をすっとばしておきながら、ストーリーをきちんと理解させるということは、はたから想像するよりはるかにむずかしい。 そういった文章が書ける、という一点に置いて、火浦功は稀有な作家だと思う。 が、寡作なのがいただけない。 何か一作、代表作となる長編シリーズを続けていたら、それだけでひとかどの作家にはなりえたと思うのだが。マニア向けだけどな。 くだらないと云ったが、ハードボイルドな美形傭兵が、ギャグ集団に巻き込まれて困惑しつつも、結局一番変なのは本人、という設定はわりといいと思う。 いつだってハードボイルドのキースはわりと可愛い。すぐに匍匐前進はじめるところとか。 だから、もっと長く続けていればねえ。なんでやめちゃうんだろ?(多分、雑誌が潰れたからだと思うけど)
SF。ハードボイルド。連作短編集。 この人は寡作な作家でマニア評価が高いらしい。はじめて読んでみているわけだが…… あー、微妙。 テンション高く、テンポもいいんだが、どうだろ。軽すぎるか? ハードボイルドだが、あくまでアニメのハードボイルド。
ハードボイルド・コメディ。中篇?長編?中途半端な長さだ。 なるほど、テンションが高い。 薄い本だとはいえ、40分くらいで読破できた。文が薄い本ってのはいくらでも読んできたけど、ここまでテンポがいいのははじめてかもしれん。 とるに足らぬ文に見えるんだが、言葉選びのセンスだな、ほとんど説明文がないにもかかわらず、状況がたやすく理解できる。 短い文でシチュエーションを想起させるのがうまいんだ。この辺は見習いたいところ。 ギャグは、まあ微妙。 けど、シリアスな話よりも、この話のほうがカッコイイような気がしたのはなぜだ? うむ、もう一、二冊、読んでみるか。
ギャグ。短編集。 ★『奥様はマジ』 筒井康隆チックだな。 この枚数、この改行ペースでよくもまあキャラが浮かび上がるような話を書くものだと感心はする。 ★『父カエル』 ダジャレだけで一本つくれるのもたいしたものだ。 ★『てなもんや忍法帖』 未完の連載作品。未完であること自体をネタにしているのはよかった。 なんか、うまいのかもしれんが、わざわざ読むようなものでもないような気がしてならないんだな。 しかしここまで無内容な文章ばかり書けるのはエライ。油断すると、意味つけたくなるもんな。 どうでもいいが、花見沢Q太郎(※1)のイラストはちょっと…… ※1花見沢Q太郎 エロ漫画家。ロリ属性。ほっぺたに謎の赤丸がついた絵ばかりを書く。 個人的にぢたま某(※2)と絵柄が区別つかない。 ※2ぢたま某 エロ漫画家。ガイナックスアニメ『まほろまてぃっく』(※3)の漫画版作画。 尿漫画の第一人者であり、油断するとすぐ放尿させる。 ※3まほろまてぃっく 最強兵器であったロボットが、機能停止するまでの最後の一年間を凡庸な少年の メイドとして過ごすというストーリーの、キモオタのキモオタによるキモオタのためのドラえもん。 ぶっちゃけマルチ(※4) 兵器+メイド+ロボット=萌え という風雪マタタビンガー(※5)なみにわかりやすい狙いがたまらない。 「エッチなのはいけないと思います」 ※4マルチ 数年前にギャルゲー界で一世を風靡した『To Herat』の一番人気キャラ。 普通の現代学園物に、ストーリーの半ばから唐突に当たり前のような顔をして登場する美少女ロボットなんぞに順応できる辺り、オタクの順応性の高さは半端じゃない。 いいから現実にも適応しろよ。 ※5風雪マタタビンガー OVA『タイムボカン王道復古VOL2 タツノッコン王国で同窓会だコロン』において、ドロンボー一味がつくった詐欺アニメ。 宣伝文句は「メカと美少女と パンチラ」 上映時間は五秒くらい。ちゃんとテーマ曲もある(「特訓満漢全席」 収録)
C調探偵ギャグ小説の第二作目。短編集。あとおまけにSF三つ。 くだらない。 ひどくくだらない。 だがやり切った。 おまえはやり切ったよ。 そこを評価してやりたい。 最後の数行でまとめあげる能力は、非常に高く評価したい。 ギャグは、まあ面白いのもあったような気もするのでいい。 しかしなあ、この人って、真面目に長編書いたら、どうなるのですか? あるの? そういう作品。調べてもいないですけど。 書いてみて欲しいなあ。ちゃんと。 あとSF三つは、パンツはいてない、ちがった、まだ読んでない。 (06/2/6)
SFロボットギャグ小説。 はるかな未来、文明の衰退した地球。 かつての文明のあとはしっちゃかめっちゃか奇妙な形を残すばかりの、珍妙な世界になっていた。 その世界で、領土拡大に意欲を燃やす《無謀王》ヴァルマー。 ヴァルマーの魔の手はついに名門フレイアー家に伸び、城はいまにも陥落しそうになっていた…… という、筋だけみるとわりとありがちな設定だが、主要キャラがみんなC調(という80年代表現がぴったりくる)で、とにかくいい加減なのが特徴のシリーズ。 あとの巻や外伝を先に読んでから、この一巻にたどり着くという、なんともいい加減な読み方をしたのだが、意外なことに、一巻はまともにストーリーを進める意思が見える。 なるほど、こうしてシリーズは変質していったのだな、と感心した。変わるにしても早すぎだなけどな。 敵討ちものなのに、一話目で本懐を果たしたり、巨大ロボット物なのに主役メカが三話目で初登場したり、微妙に型紙やぶりな展開が面白い。 巻末の対談(ゆうきまさみ、出淵裕、火浦功)によると、なにやら原案は三人で考えて、アニメとして売り込みに行ったがプレゼンに失敗した、とのことらしい。あー、じゃあ一応アニメにするつもりはあったんだ、最初は。納得いったようないかないような。 しかし、なんかまだ「究極超人あ〜る」が連載開始したばかりらしく、どういう長いスパンで刊行されてるシリーズなんだよ、といささか呆れる。そもそもイラストを書いているゆうきまさみの画風が、一、二巻と外伝以降で変わりすぎだ。まあ、この時期はまだ模索してたのかねえ。あとの絵はいつものあの絵柄だし。 そういえばゆうきまさみはいまどこでなにしてるんだ? まあいいか、べつにそんなに好きじゃないし。あ〜るは好きだけど。 (06/6/28)
長編ギャグSF第3弾。 第3弾っつっても、間に外伝がおなじくらいの数挟まってるし、 そもそも続きが出るのが14年ぶりらしい。おれはそういうのに弱い。 よっしゃ、昔とおなじテイストをどれくらい残しているのか、 どれだけ時代に取り残されたのか、あるいは古びていないか、 見てやろうじゃないか。そう思って手にとる。 問題は、前の二巻を読んでいないことくらいか。 まず驚いたのは、本当になにごともなかったのかように続いているということ。 そして、案外、ちゃんと設定があるらしいということ。 そもそも、こんなラノベの、こんなくだらないギャグイラスト仕事に、 ゆうきまさみと出淵裕の二人も使えるという、その事実がずるい。 年月だ。年月のマジックだ。 本編だが、基本的には滑り気味だが、時々ツボにはまる。 おれはどうも口先だけ男に弱い属性があるので、当然スリム・ブラウンが気に入ってきた。 「人類史上もっともなれなれしい遺伝子をもつ男」という一文が良かった。 すべてしめさばの味になる物質変換機や、風車の弥七一族など、くだらなすぎて笑える。 特にさりげなく登場した「五万人の客が入れるカニ料理屋」 そのご都合主義っぷりに腰の砕けた笑いがこぼれ出て止まらない。 そりゃその調子でやっていけりゃ楽チンですわ。 案外、話が壮大? なのが、へーんな感じ。 ても、このシリーズ、まず確実に終わらないんだろうなあ。 終わってどうなる話でもない気がするけど。 (06/6/20)
時ははるかな未来、遠い宇宙。 銀河帝国に反旗をひるがえす正義の一味がいた。 筋肉バカの美少年みたいな少女・コロナ。 口先だけで生まれた詐欺師スリム・ブラウン 美女みたいな青年シャラ そして、いつもおちゃらけ超兵器人型ロボガルディーン。 そんな一行のどたばた道中の小話の数々でした。 なんというか、いかにも山本正之の音楽が似合いそうな、 気の抜けたいいかげんな文章とほのぼのな展開がなかなかいい。 偽者一味が出たりするベタな部分や、敵の大佐が上司と部下にはさまれて一番苦労人であるあたり、 ツボを抑えている。そしてそのツボを丁寧にずらしてくる。 深く考えるな、流して読め。気が向いたら読め、というようなことを強要してくるような文章なので、 誘われるままにつらつらといいかげんに読みました。 まあ、なかなか悪くないんじゃないかな? 本編がほとんどない外伝というのも、乙なもんだぜ? 巻末にやたら長い対談が載っている。火浦功、出淵裕、ゆうきまさみ、の三人だが、 わかっちゃいたが、こいつらつるんでるんだなあ、と。そしてがっつりオタクなのだなあ、と。 ぼくは一般人のヤングだからついていけないですよ。 (06/6/4)
コメディ。短編集。ゲームのパロディ。 ウィザードリィのダンジョンの中に学校があったら、というドタバタコメディ。 ベタで特筆するようなギャグもないのだが、わりとまっとうにパロディしていたのでけっこう面白かった。 タイトルはDQとFFのパロディだけど、そっちのネタがほとんどなかったのが残念といえば残念か。 がんばってパンチラしたりドジッ娘出したりツンデレキャラを出したりラブコメ展開したりしていたのが、あとの作品になればなるほど作者がいいかげんになり、いいかげんになればなるほど面白くなるというところが良かった。 つうかこの作者はそんなんばっかだけどな。 ダンジョンの最下層で商売している、豆腐の角ですべての敵を倒す最強の豆腐屋とか、封印が解けて一万年ぶり復活した魔王をあの名作になぞらえた「幸福の黄色い半魚人」とか、いいかげんすぎて力なく笑えた。 あと幼龍仙みたいなちびドラゴンがちょっと萌えた。 (06/11/20)
かつて少年サンデーで連載されていた漫画「奮戦元年」の原作。 小説じゃなくてプロットみたいなの。 ある日突然、正義の味方にさせられた平凡な少年を描くどたばたSFアクション。 なんだけど、その本編はどうでも良くて。 なにしろ漫画は半年で打ち切られただけあって、これはもう実にどうでもいというか、つまらないテンプレ的な作品であって救いようがないんだが、本編の合間合間に作者自身による解説や当時の回顧録、なぜこの作品が失敗したかに関する考察とか、時事ネタが風化する様などが描かれていて、そこが面白い。 特に途中、意味もなく「時かけ」のパロディが入ってきたり、当時作者周辺の仲間たち(全員プロ)がいかに「時かけ」に夢中だったかを語りだしたりする段は楽しそうで何よりだ。 ストーリーの中でキャラがどんちゃん騒ぎしている前期火浦と、作者がストーリー自体を適当にひっくり返しまくってる後期火浦の両方が味わえるという点では、なかなか面白いのかもしれない (07/5/12)
SF短編集。ショートショートもいろいろ。 二十数編入っているから、収録作は飛ばすとして。 まったくの無内容なギャグ小説から、ちょっと泣かせる話、映画風なハードボイルドや、ゲームに関する話など、火浦功の節操のなさがめいっぱいにつまっている。 小説なのに、お笑いが70年代のお茶の間感覚に包まれていて、嫌いになれない。くだらなすぎる。 が、この時期はけっこう真面目に書いている節があって、ちゃんとオチのついている話が多くて驚いた。 個人的にはもっといいかげんになった近年の火浦作品の方が好きかな。 あまりおすすめといえる作品ではないが、あまりにもお手軽に読めるので、読んでみるのも損ではない。 (07/11/19)
長編コメディだかハードボイルドだか。 〆切りを破ってばかりのでたらめ三流SF作家壬生マコトは、その日もドラクエ2のやり過ぎで〆切りを破っていた。 業を煮やした編集者はマコトをホテルに缶詰にする。 そんなマコトの部屋へ窓から入ってきたのは、肩にニワトリを乗せた殺し屋だった…… どんなものでも突き詰めれば道になるというが、小説の世界においてここまで首尾一貫していいかげんな作品がかつてあっただろうか? タイトルも設定もキャラクターも展開もいい加減で、オチもいい加減で、とにかくいきあたりばったりを極めたような展開を、気合の抜けた文体と腰砕けなギャグが補強する。まさにキング・オブ・ザ・イイカゲン。 ここまでやってしまうと認めざるを得ない。火浦功の一本筋の通ったやる気のなさをだ。 (07/12/30)
馬鹿SFはこうしてつくられる(『SFバカ本』収録) うな
みじかっ! 可もなく不可もなく。 |