タイトル | 評価 | 一言メモ |
戦うボーイ・ミーツ・ガール フルメタルパニック! | うな | フルメタシリーズ開幕。普通にまとまっている |
疾るワン・ナイト・スタンド フルメタルパニック! | うな | 第二弾。早くも失速。 |
揺れるイントゥ・ザ・ブルー フルメタルパニック! | うな | 失速したまま安定。 |
終わるデイ・バイ・デイ 上・下 フルメタルパニック! | うな∈(゚◎゚)∋ | 面白くなりそうな予兆が |
踊るベリー・メリー・クリスマス フルメタルパニック! | うな | ラブコメ全開 |
つづくオン・マイ・オウン フルメタルパニック! | うな | 盛り上がってまいりました! |
燃えるワン・マン・フォース フルメタルパニック! | うな∈(゚◎゚)∋ | 普通に燃え |
つどうメイク・マイ・デイ フルメタルパニック! | うな∈(゚◎゚)∋ | いつのまにか普通に面白い |
せまるニック・オブ・タイム フルメタルパニック! | うな∈(゚◎゚)∋ | 終盤へ向けてますます加速 |
放っておけない一匹狼? フルメタルパニック! | うな | フルメタシリーズ。普通のラブコメ短編集 |
本気になれない二死満塁? フルメタルパニック! | うな | フルメタシリーズ。普通のラブコメ。最初に読んだ |
自慢にならない三冠王? フルメタルパニック! | うな | フルメタシリーズ。普通のラブコメ。二番目に読んだ |
同情できない四面楚歌? フルメタルパニック! | うな | 短編集。いつも通り。 |
どうにもならない五里霧中? フルメタルパニック! | うな | 短編集。ほんとにいつも通り |
あてにならない六法全書? フルメタルパニック! | うな | いつも通りだって |
安心できない七つ道具? フルメタルパニック! | うな | いつも通りだっての |
悩んでられない八方塞がり? フルメタルパニック! | うな | いつも |
音程は哀しく、射程は遠く ―サイドアームズ― フルメタルパニック! | うな | いry |
極北からの声 ―サイドアームズ2― フルメタルパニック! | うな | ry |
ドラグネット・ミラージュ | うな | 新シリーズスタート。相変わらず出足は鈍足 |
ドラグネット・ミラージュ2 10万ドルの恋人 | うな | 商売のやり方に疑問 |
学園ラブコメ軍事ロボットアクション長篇。 諸君、ラブコメだ! ラブコメが攻めてくるぞ! シリーズの中でもかなりどうでもいい話。 (05/11/19)
フルメタの、長編の、何冊目かの。 べつにいつもどおりでなにひとつ文句はないのですが、立て続けに読むと飽きている自分を発見します。 面倒なのでほかには特にありません (06/2/9)
ラノベのシリーズ物の長編の四冊目の。 いつものようにいつものごとく、陣代高校で騒ぎを起こす宗介に下された新たな命令は、現在の任務からの撤退。 納得いかないまでも、指令に逆らうことはできず、黙ってかなめの前から姿を消す宗介。しかし、その時、かれは戦う意味を無くしている自分に気づき…… これは、意外にも面白かった。 なんてことのない日常を積み重ねながら、その日常の終わりを予感させる空気。 無くしてはじめて気づきく大切さ、というベタな展開だが、戦闘機械のように命令に従って生きてきた宗介が、自らの意思をもって戦い生きる人間として生まれ変わる、その契機として十分なエピソードとなっている。 特にテッサやガウルン、カリーニンなどのサブキャラのエピソードが本筋にうまく絡み、アーバレストとの関係も含め、物語に広がりを与えていた。 そのアーバレストのAIアルも、レイズナーを連想させ、にやりとさせる。 ラストのヒーロー展開も、中盤がぐじぐじしていただけに、決まっていた。 ベタでくだらない展開だが、それを全力でやっていて、好感がもてる。 短編自体はわりかし普通のラブコメしてるシリーズだが、長編を盛り上げる下準備としては、実にうまく機能していると、今作で実感した。 このシリーズに対して「なんとなーく読むか」から「最後まで付き合うか」という気持ちに切り替わった一作だ。 (06/6/28)
フルメタ長編の何冊目かしらんが、そういうの。 豪華クルーズでのディナーに招待された陣代高校一行。 しかし、案の定、テロリストに選挙される豪華クルーズ。 だが、そのテロリストは、よく見たら我らが主人公、相良宗介? いったいなにがどうなっちゃってるの? と思っているうちにドタバタ戦争しながらラブコメしている、いつものやつ。 途中、ダイハードのパロディが入ってきたりして(つーか、ダイナマイト刑事のような気がしてならんが)それは必要だったのか? と思った。 人vs等身大ロボット 巨大ロボットvs巨大ロボット 潜水艦対潜水艦 三つの戦いを、スムーズに多元中継させたところはお見事。 事態の局面にあわせた戦術がある、ということを、軍事オタクらしく描いていた。 しかし、ちゃんと持っているのに順番に読んでいないので、時々、しらないキャラクターが紛れ込んできて、わかりづらい。 いや、これはまったくもってぼくのせいですけど。レナードってだれさ。まったくもう (06/2/8)
ラノベのシリーズ物の長編の六冊目の。 長編では六冊目だが、短編とも合わせてこれで通算シリーズ十六冊目。 気が付けばずいぶんとこの話につきあっているものだ。 あらすじ ついにはじまったアマルガムの総攻撃。 ミスリル作戦本部は沈黙し、メリダ島基地も襲撃され、トゥアハー・デ・ダナンも沈没の危機を迎える。 時を同じくして、アマルガムの魔の手はかなめにも伸びる。 宗介とかなめは二人、逃亡をつづけるが、敵の魔の手は陣代高校にまで伸びていた…… いよいよ物語も佳境か。 これは、面白かった。 とにかく徹底して描かれる不利なシチュエーションの数々。 アーバレスト以外では絶対撃破不可能と思われる敵機ベヒモスが三機も襲来。 それを宗介が絶対に登場しないシチュエーションで解決しなくてはいけないというのがまず燃え。 何気ない日常をこよなく愛しながら、自分がそこにいられる人間ではないことを自覚している戦士の悲哀もいい。 冷静に考えれば、とらわれのヒロイン、基地の崩壊、同僚の戦死、最強の敵の登場、そして主役機の大破、などなど、あまりにもベタな逆転へのフラグだらけだが、そこが良い。 ひとえに十数巻、世界を積み上げてきた賜物である。 「まだまだ続くし、完結しないままべつのシリーズをやったりしません」という作者の言葉が頼もしい。 長編放置は辛いものな。しかも同一作者にそれを連発されるとな。ふぅははははははー。 そんな感じで、普通に次巻が楽しみである。出てるのかどうかすら知らないけど。 (06/6/20)
長編ラノベ的な。 ミスリルの壊滅後、単身アマルガムを追う宗介が辿り着いたのは、ASによる闘技場があるナムサクだった。 弱小チームのオペレーターとして戦いながら、オーナーのナミやスポンサーのレモンと親交を深めていく宗介。 そんな折、アマルガムの殺し屋クラマの罠が宗介を襲う。 果たして宗介はかなめの下に辿り着けるのか―― いやあ、面白かった。 闘技場。窮地に陥った弱小チーム。そこにふらりとあらわれる謎の凄腕パイロット。 少年漫画を絵に描いたようなワクワクする展開。 兵士の本能を取り戻そうとする一方、人間としての弱さに悩む宗介も萌えるし、 禁煙中でニンジンスティックを食べているクラマもこの巻で退場ながらキャラが立っている。 出た瞬間に死相が出ていたとはいえ、重要キャラをあっさり殺す展開もスリリングで、なにより作者の愛する量産機、サベージの活躍は、タフで無骨で鈍重なベストセラー機の本領発揮といった按配で、実にカッコよかった。 ラストのサベージ十機抜きは燃え展開の極み。 噂の後継機で話を引くのもあざといながらも燃えるし、いやあ、正直、最初の四、五巻あたり、かなりいい加減に読んでたんだが、読みつづけてきてよかった。 小細工の少ない文章は読みやすく、ぐいぐいとストーリーを読ませてくれる。 続きに素直に期待。 (0/4/20)
ラノベの長編シリーズ いや、いいね、王道展開いいね。 バラバラになったミスリルメンバー。 警察に保護されるテッサ。 瀕死の重傷を負いリハビリをする宗介。 最悪の敵となったアンドレイ・カリーニン。 そして胎動をはじめる新たな機体…… ピンチ、ピンチ、ピンチの連続で毎章見せ場があり、そこを鮮やかに切り抜けていく快感。 絶望のあとに確実に希望を用意し、いままで登場させた脇役の一人一人においしい役割をあたえ、なにひとつ無駄にせず、誰一人蔑ろにしない。まさに長編シリーズのお手本のような展開。 そして登場する新機体レーヴァテインの痛快な活躍! 本来必要な機能をいくつも排除し攻撃のみに特化した結果、異常な攻撃能力を獲得したという、まさに主人公専用機。 いままで苦戦した敵をばったばったとなぎ倒す快感。 それでいて、単機じゃ通常行動すらままならないので、チーム戦が必要不可欠というのも、実にわかってる。 完結まで、あと二巻か三巻か? 前巻にも書いた気がするが、いやあ、ついてきてよかった。 素直に完結を楽しみにできる作品だ。 (07/12/30)
大長編ラノベ。 いよいよ反撃を開始するミスリル。 目指すはウィスパード誕生の秘密が眠る都市。そこは爆心地となっており、いまでも何者も近づけない場所だった。 テッサが宗介をともないそこを目指す一方、かなめも変貌したレナードによってそこに連れていかれそうになっていた。 両軍の戦闘のドサクサで再会するテッサとかなめ。遭遇する宗介とレナード。 かれらはいまの世界の秘密を明かしていく…… いやあ、ストーリー展開がどうこうというより、ちゃんと次巻かその次辺りには終わりそうなのが嬉しい。 某メインキャラも、死亡フラグを立てたと思ったらやっぱり退場なされたし「こんなの勝てないじゃん」という設定だった敵組織アマルガムもちゃんと倒せるように劣化しつつあるw ステロタイプでまったく魅力のないライバル役のレナードも、変貌を遂げて、やっぱり別方向でステロタイプな魅力のないライバルになりましたが、どうせこいつはかませ犬なのでどうでもいい。 以前から1980年代あたりを境にパラレルな世界であると説明されてはいたが、それがストーリーの根幹に関わってくるとは、いや、なかなか。ただの設定厨だと思ってた。 ストーリーの骨格自体はお約束の連続で新しいことはないんだが、そこはそれ、ここまで着実に続いてきた話だから、ラストに向けての展開はこのお約束で正しい。 とにかく、このテンションで駆け抜けて欲しい。 楽しさと淋しさを感じるうちに、綺麗に終わってね。 (08/7/12)
学園ラブコメ。短編集。 うーん、この感情、なんて表現すればいいのかなあ…… どこかで見たような、というか……ー 新鮮味がないというか…… ぶっちゃけ云うと「もう飽きた」というか…… (05/11/16)
学園ラブコメ短編集。 ラブコメだった。想像以上にラブコメだった。どうしようもなくラブコメだった。 乙女チックなラグビー部を軍隊式に鍛え上げる話はわりと面白かった。フルメタルジャケットのパロディになってて。 でもなあ、なんかあんまり主人公の宗介が可愛くないんだよな。アニメだとわりかし可愛かったのに。 思うにアレだな。ヒロインに明確に恋愛感情持っているのがいけないんだな。 戦場という、死と別れが日常の世界に生きていたために恋愛という概念の理解できない男が、日常から戦場にひきずり出された少女に惹かれている、というのがミソなんだろうけどな。あんがい普通に素直になれないラブコメカップルしてるんだよな。 まあ、とてつもなく早く読めるから、気軽に読めるのは悪くない。
ラブコメ。短編集。 あらゆる意味で前巻と大差無し。
シリーズの。短編集の。ラブコメ風の。ミリオタ風の。 最初の。ふつう。感想は特になし。 次の。合コン話。感想は特になし。 その次の。めぞん一刻みたいなの。めぞん一刻みたいだった。 また次の。つっぱり人情ものの。なんだかあれだった。 ほんで次の。いつもの。用務員が強かった。天本英世だろうか。 最後の。スペースカウボーイ? (06/5/3)
フルメタルパニック!の短編集の八冊目。 ★『約束のバーチャル(前・後編)』 いつものキャラクターたちが、みんなしてオンラインゲーム(MMORPG)をやったら、という話で、くっだらねーなー、とか思いながらも、UOやROを知っていると、うっかり面白いと思ってしまうところがある。 いや、ぼくはUOもROもやったことはないんだけれども。 気弱なオタク少年が、気障なキャラクターを気取っていながら、リアル友に遭遇した瞬間、素にかえるところなんかは、実にそれらしい。 ★『影武者のショウビズ』 ありがちな入れ替わり物で、ひょんなことから軍事のプロ宗介が、よりによってさわやか系アイドルと一日入れ替わるという、なんだかすべてがわかりやすいようなアレで、オチまで含めてアレだった。いや、いい意味で。 ★『対立のフェスティバル』 文化祭の出し物をめぐる四組と七組の対立をえがいたもので、いろいろあって、宗介のせいで相手が自滅するという、やっぱりわかりやすいアレだった。 前日深夜、だれにも頼まれていないのに地雷を設置して、翌日早々撤去させられる宗介にちょっと萌えた。 ★『愛憎のフェスティバル』 同じく文化祭でのミスコンにおける千鳥かなめのドタバタ奮闘劇。 どう見てもただのラブコメです。 本当にありがとうございました。 (06/2/6)
フルメタの短編集のなんか。 なんつうかこう、なんでおれこのシリーズまだ読んでるんだろう? たぶん、まとめて安く買っちゃったからなんだろうけど(ラノベ読んでるときによく起きる症状)そんでもって、こんだけ読んだんだし、読むのも簡単だから、とりあえずまあ、最後まで読んどくか、みたいな安易な気持ちで読みつづけてしまうのだろうなあ。 やっぱ一冊一冊の質より手軽さで勝負よね! そんな人間に、私もなりたい。 なんて、舐めたような態度をとってますけど、今回はそこそこ面白かったです。 たぶん、学園ラブコメ風味が抑え目で、ミリタリー風味が強めだったからでしょうね。 でも一作一作の質をどうこういうようなものでもないしねえ。 一応、宗介とクルツはわりと好きです。だから、最後の話はなかなかベタでよかった。 あと、わりとありがちなことですけど 微妙なイラスト→それをもとに丁寧にアニメ化→アニメをもとに描いたのでイラストが上手くなる というなんだかアレな現象がここでも起こっているようですよ? (05/12/10)
短編集。 ★『極北からの声』 十三年前、北極海の海中にて潜水艦に勤務していたアンドレイ・カリーニン。 近くに墜落した旅客機の生き残りを助けるために、部下とともに向かった彼が救ったのは、幼い日本人の少年だった。 相良宗介とカリーニンの運命的な縁はここからはじまったのだった―― 謎めいていた宗介の過去を、カリーニンの視点から語る。 二人の奇妙な関係を軸に、宗介の両親やいかにして宗介が暗殺者カシムとなったのかが語られる。 親父臭さが満開でいい。 軍事オタっぽい知識がそこかしこにちりばめられ、特に八十年代の米ソの関係が思ったよりも簡潔かつ丁寧に説明されているのが好印象。 そして幼い宗介が萌えキャラだった。絵的にも。 ★『<トゥアハー・デ・ダナン>号の誕生』 王立海軍所属のマデューカスは、ある任務の際、海中で米国の潜水艦を助ける。 その艦の艦長の名はカール・テスタロッサ。 緊張する国際状況の中、マデューカスはカールと親交を深め、米国の彼の家で幼い天才少女と出会うのであった―― マデューカスの視点で語られるテッサの少女時代とミスリルの発足。 あとがきで作者も言っているが、「極北〜」よりもより深く、フルメタシリーズの現実とのパラレル具合を説明している。 中東への核の投下、アームスレイブの開発、内乱する中国、暗殺されるゴルバチョフ、依然として健在なソ連。 それらの設定の説明がそのままミスリルの発足につながっていくのは面白く、また幼女テッサが強気なのもキャラの別の一面を見せていて、面白い。 「極北〜」と合わせ、シリアス展開の続く本編を補足する好編。 ただちょっと説明臭すぎて、鬱陶しい面もあるかな。 ★『大食のコムラード』 いつもどおりの朗らかなある日、宗介が拾ってきた大食いの猫とは…… ギャグが滑っているが、おおむね微笑ましい一編。 しかし、この小説は女キャラはどうでもいいというか、わりとステレオタイプなのばかりだが、宗介だけはガチの萌えキャラとなっているな。 (07/4/21)
長編ラノベ。 なんか現代世界でほにゃららいうゲートが開いてほにゃららいうファンタジーっぽい異世界とつながっちゃって、いろいろごたごたがあった結果、ほにゃららいう異世界人と人類の共存地帯となる都市が出来て、そこ異世界と現代の文明が混ざりあっていろいろとカオスなところになっていて、主人公のケイ・マトバはそこで刑事をしてて、異世界がらみのトラブルで、ツンデレエルフのねーちゃんと合同捜査することになりましたって話。 刑事ドラマシリーズとファンタジーを混ぜてみましたって試みだけど、なーんかいまいちピンとこない。 ベタってほどありふれた設定でもないが、なんか新鮮味を感じないのがいけないのかな? 主人公のケイがただのありがちな刑事ドラマの主人公で、フルメタの宗介などに比べるとどうも薄味に思えてならない。パートナーであるティラナもよくあるツンデレで、なにひとつ新しいものを感じない。 賀東招二はもともと良くも悪くも文章が薄味なため、キャラの特徴まで薄いとどうしても作品自体が薄味になってしまう。 結果として、つまらなくはないが面白くもなく、快も不快も与えない作品に仕上がってしまっている。 ラノベらしくコメディならもっとコメディー調に、あるいはもっとハードボイルドっぽくシリアス風に、アクション重視ならもっとスピーディーかつ派手なハリウッド風に、すればいいのに、刑事ドラマとファンタジーの双方の利点を失った地味な作品になっている。 ラノベってのは奇抜な設定ゆえに堅実さを失っているわけなんだから、なにかに特化しなければ面白みが出ないだろうに。 原案が賀東で、著作はきぬたさとしという見知らぬ人間になっているのだが、このきぬたさとしがすごい。 どう見ても賀東招二の文体。 もともと特徴の薄い文体ではあるが、ここまでそっくりな文体の人を探せるものなのかと感心した。ちょっとメリハリが弱いところが賀東とのちがいなのかな? と思っていたが、次の巻のあとがきを見たところ、結局は賀東招二の変名だったらしい。 そりゃ似てるはずだよね。 別につまらなくはないんだが、これ見た感じだと、やっぱり賀東招二はフルメタの一発屋でおわっちゃうのかな? という気がして、ちょっと切なくなった。 少年漫画とラノベ作家は一発屋ばかりだのう。 (08/10/31)
ファンタジーな異世界とつながってしまった近未来。 ひょんなことからツンデレエルフと組むことになってしまった中年刑事の奮闘を描くシリーズ第二弾。 一話完結式で、第二話と第三話を掲載。 シリアスな長編とコメディな短編を組み合わせて発表していく、というのは賀東招二の代表作で出世作であるフルメタシリーズと同じ手法なのだが、これは失敗だと思う。 出版しているゼータ文庫というのは、竹書房がなにを考えたのか突然やりはじめたラノベレーベルなんだが、そこで富士見ファンタジアと同じ手法というのが間違っているのだ。 もともと、フルメタはアニメ化するまでずっと地味なシリーズだった。アニメ化してもなお地味だった。二度目のアニメ化と、物語が佳境にさしかかったことによってようやく脚光を浴びた、ラノベとしては異例の遅咲きのシリーズだ。 結果的には、それまで積み重ねてきたなにげない短編たちが終盤の盛り上がりに一役も二役もかっているわけだが、これが出来たのはあくまで富士見ファンタジアという安定したレーベルで、なおかつ雑誌連載であったからだ。 雑誌連載の強みは「悪くない」程度の作品が生き残れるところだ。 この作者の文体は、ラノベとしては異例なほど特徴がない。下手さも上手さ感じないという、ラノベの中央値を割り出したような普通すぎる文章だ。普通すぎて逆にちょっと浮いているかもしれないが、少なくとも悪意や反発を抱くほど目立った存在ではない。 フルメタが生き残ってこれたのは、そういった悪意や反発をすり抜け、安定したクオリティと発刊ペースでのらりくらりと続けていたからだろう。大手においては、その中庸な在り方が大事なのだ。 しかし弱小レーベルであるゼータ文庫においてこの手法はよくない。ゼータ文庫的には看板作家としてひっぱってきただろうに、中堅作家の目立たない仕事を披露してのらりくらりとやっていてどうするいうのか。 作品の内容自体は、ストーリーはわりと普通すぎてどうでもよかったが、主人公が車にかける愛情の激しさやその心変わりの早さは面白かった。 フルメタの量産機サベイジに対してもそうだが、この作者は普通のマシンに対する思い入れを描かせるとやけに輝く。なんかあまり使い道のなさそうな技量で困ったものだ。 一応、あれだけいきあたりばったりに見えたフルメタにも大きな話の流れが用意されていたのだから、このシリーズにもあると信じたいのだが、そもそもシリーズが続くのかどうか、それ以前にこのレーベルがまだ続いているのかどうか、疑問は尽きない。 (08/12/22) |