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角田光代

タイトル評価一言メモ
学校の青空うなぎ学校小説の名作
うな





  学校の青空

学校の青空 (河出文庫―文芸コレクション)
角田 光代
河出書房新社





学生を主人公にした短編集


★『パーマネント・ピクニック』
なんとなく自殺をしにいくことになった中学生カップルの話。


★『放課後のフランケンシュタイン』
女子高でのいじめっ子の話。


★『学校ごっこ』
子供たちにわかりやすいレッテルという名の役割を与える教師と、それの真似をして遊ぶ小学生の話。


★『夏の出口』
高校の卒業旅行に、ナンパ島に遊びに行く女子高生四人組の話。


これは、普通にすごいし、面白い。わかやすいし、キャッチーだし、上手いし、若いし。
ただ、巻末の解説でうまいこと語られすぎていたので、なんか困る。

人間の持つ二面性というか混沌と云うか、理屈で説明できないし、良いとも悪いともつかない気まぐれとかいいかげんさが、何の解釈も与えられずに、まさしくそれそのままに描かれてあるというすごさ。
問題を描きながら、それに対する答えを出さず、読者にも出させようとしていない。
それゆえにこそ、まさしく教室を活写し尽くしている。

ことに「学校ごっこ」は恐い。
与えられる役割になんの疑問も抱かず、むしろ遊んでしまっている子供たちの姿が、物語的に戯画化されずに自然に描かれているところが恐い。いい作品だ。

ダメだ、解説がちゃんとしているから書くことねえ。
とにかく、普通によく出来た学園小説というか文学というか。
普通に面白いです。

(06/12/8)







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