タイトル | 評価 | 一言メモ |
古本屋探偵の事件簿 | う | 設定のわりにいまいち |
ミステリー。中編集。 全四編入っているうちの二編しか読んでないんだが、なんだかもういいや。 「お探しの本探します」古本屋を営む須藤のもう一つ顔が、古本探偵である。 しかし依頼の本をさがすうちに、奇妙な事件にまきこまれて……みたいなノリのシリーズ。 「古本屋探偵」という単語を聞いたときは 「はー、いいじゃないか。そういうのでいいんだよそういうので」 「俺に似合うのはこういうもんですよ」 と手にとったが、中身に関しては 「古本屋というのは、なんというか胡散臭くなきゃだめなんだ……じじいで、偏屈で、高くて……」 という感じでした。 まあ、なんつうんでしょうね。 古本の探偵、という設定だから、さぞかし古本うんちくを堪能できるかと思ったが、そんなこともなく、探偵部分もハードボイルドでもアームチェアディティクティブでもなく、比較的社会派で、かといって世相を斬っているわけでもない。 本を収集に命を賭けてしまった人間の狂気、みたいなものは書けていたかもしれないが、本の魅力そのものに対して淡白で、なんというか、題材や設定がもったいないな、と思ってしまう。 また、主人公のノリがよくわからない。 凡人というノリなのか? 特に具体的な特徴もなく、名前だけ「探偵物語?」みたいになっていて、なんだかなあ、である。 そんな感じで、だいたい半分で読むのをやめてしまった。 分厚い本だから、読んだのはちょうど文庫一冊分くらいか。いずれにせよ、期待はずれである。 しかし、気になるのは巻頭の紹介文。「ラブクラフトファンも必見」 ……どこだよ、ラプクラフト。どこにクトゥルーが出て来るんだよ。 期待しちまったじゃねえか。いや、残りの二編で関係してくるのか? でも読むのめんどゅいなあ。どうしてくれるんだ、このもやもやを! そんなもやもやをたくさん抱えて、ぼくは今日も生きていくのです。 (06/6/4) |