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紀田順一郎

タイトル評価一言メモ
古本屋探偵の事件簿設定のわりにいまいち





  古本屋探偵の事件簿  う

古本屋探偵の事件簿 (創元推理文庫 (406‐1))
紀田 順一郎
東京創元社





ミステリー。中編集。
全四編入っているうちの二編しか読んでないんだが、なんだかもういいや。

「お探しの本探します」古本屋を営む須藤のもう一つ顔が、古本探偵である。
しかし依頼の本をさがすうちに、奇妙な事件にまきこまれて……みたいなノリのシリーズ。

「古本屋探偵」という単語を聞いたときは
「はー、いいじゃないか。そういうのでいいんだよそういうので」
「俺に似合うのはこういうもんですよ」
と手にとったが、中身に関しては
「古本屋というのは、なんというか胡散臭くなきゃだめなんだ……じじいで、偏屈で、高くて……」 という感じでした。

まあ、なんつうんでしょうね。
古本の探偵、という設定だから、さぞかし古本うんちくを堪能できるかと思ったが、そんなこともなく、探偵部分もハードボイルドでもアームチェアディティクティブでもなく、比較的社会派で、かといって世相を斬っているわけでもない。
本を収集に命を賭けてしまった人間の狂気、みたいなものは書けていたかもしれないが、本の魅力そのものに対して淡白で、なんというか、題材や設定がもったいないな、と思ってしまう。
また、主人公のノリがよくわからない。
凡人というノリなのか? 特に具体的な特徴もなく、名前だけ「探偵物語?」みたいになっていて、なんだかなあ、である。
そんな感じで、だいたい半分で読むのをやめてしまった。
分厚い本だから、読んだのはちょうど文庫一冊分くらいか。いずれにせよ、期待はずれである。

しかし、気になるのは巻頭の紹介文。「ラブクラフトファンも必見」
……どこだよ、ラプクラフト。どこにクトゥルーが出て来るんだよ。
期待しちまったじゃねえか。いや、残りの二編で関係してくるのか?
でも読むのめんどゅいなあ。どうしてくれるんだ、このもやもやを!

そんなもやもやをたくさん抱えて、ぼくは今日も生きていくのです。

(06/6/4)









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