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貴志祐介

タイトル評価一言メモ
クリムゾンの迷宮うなサバイバルホラー。発想がいい。





  クリムゾンの迷宮  うな

クリムゾンの迷宮 (角川ホラー文庫)
貴志 祐介
角川書店





なんか読んでしまった『黒い家』で有名な作者のホラー。
意外にも、すっごく意外にもけっこう面白かった。

火星を模したオーストラリアの岩山地帯。
その迷宮のような場所で目覚めた、幾人かの男女。
携帯ゲーム機を通じて伝えられるゲームの指示。
はじまるサバイバルゲーム。
その果てにある、文字通り食うか食われるかの殺し合い。

筋自体は陳腐っちゃ陳腐だ。その分、一般受けしそうではある。
よかったのは前半のサバイバル部分。
舞台となるオーストラリアの気候、産物、生物分布をよく調べてあるようで、それらを巧みに生かした、生き残るための彷徨の部分は良かった。
このような状況下で無事生き残ることができるのか?という、文字通りのサバイバルホラー。

ところが、後半はなぜかまた「黒い家」と同じで、なんか常軌をいつした化け物みたいな人間にひたすら追いかけられる展開になって、こうなるとわりと「ああ、またですな」とどうでもいい感じになる。
オチも、まあ落ちてはいるんだが、微妙といえば微妙。

サバイバルホラーという形式にも楽しみはある、と知っただけでも価値はありか。
そんだけといえばそんだけ。









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