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増子二郎

タイトル評価一言メモ
ポストガール無駄にロボット物にうるさいおれ





  ポストガール  う

ポストガール (電撃文庫)
増子 二郎
メディアワークス





ラノベ。短編集。
戦争があった未来世界。
郵便配達員をするおにゃのこロボットが出会うハートフルストーリーの数々、みたいなみたいな。

あー、ダメだ。
たぶん、かなり厳しくみてしまっていると思うのだが、とにかく安易。
文章はわるい意味でラノベらしく、必要以上に改行だらけ。
なんぼなんでも改行タイミングがはやすぎる。

せっかくの未来世界も設定にリアリティが欠けるため、人々の生活を感じることが出来ない。
ハートフルストーリーで、生活にリアリテイを感じられないのは非常にマイナス。
無駄に親父くさいようなエロ要素がしこんであり、なんかむかつく。
もういっそ堂々とエロしちゃえよと云いたくなる。

で、なんでそんな辛口になるのかというと、おれ、人間にしか見えないロボット、嫌いなのな。
ことにそれが自我を得ていく過程がメインテーマならなおさら。
うわっつらの設定だけで「ロボットですよー」とやられるのが不愉快極まりない。
人間と異なる論理によつて動いていることをちゃんと書いてくれないと、なんのためのロボットかまるでわからん。だったら最初から「心は人間と変わらない」とやってくれ。

自我を得ていく、というテーマは、好きなんだ。
だからこそ、安易にやられると苛立つんだ。
自我の確立を阻害するものを、もっと明確に描いてくれなければ、手に入れた自我にもなんの重みもないじゃないか。
人間みたいになればそれでOKだなんて、どこがロボットなんだよ、と。

あー、なんかもやもやばかりが先に立って、うまく言葉がまとまらないが、とにかく動物ものを書くなら、擬人化してなお動物らしくするべきだし、ロボットものならどんなに人間の外見をそなえていようとも、思考が機械でなけりゃいけない。
それはもう、絶対にそうじゃなきゃいけないんだ。

(06/8/13)










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