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長坂秀佳

タイトル評価一言メモ
弟切草ホラーゲームのノベライズ。ゲームの方やれ





  弟切草  う

弟切草 (角川ホラー文庫)
長坂 秀佳
角川書店





ホラー長編。
SFCの同名のヒット作を、原作者自らがノベライズしたもの。

まず第一に、べつにゲームの弟切草が好きでもないのに読んだのがそもそもの間違いだったのでしょうか。
個人的にチュンソフトのサウンドノベルは

街>かまいたち2>かまいたち>弟切草

という評価で、弟切草に関しては二、三回しか通してプレイしていないという、そういう人間なので、「ゲームをやっていない人にも面白く、やった人にはなお面白く」を目標につくられた本作を楽しめないのも仕方がないのも知れない。

長坂さんは街のメインストーリーも担当していて、この街は面白いゲームだったけど、それはストーリーや文章が面白いのではなく、ザッピングのタイミングやバッドED探し、TIPの小ネタさがしなどが面白かったのであって、ゲームとしては一級品であると断言できるけど、物語としてはちょっとあれな感じの作品だった。
一般的には売れなかった頃の十勝花子が出ていたことで有名なゲームかな『街』は。
いや、十勝花子も嘘じゃないけど、本当は窪塚くんな、有名なのは。

まあ、『街』の話はどうでもいいんですけど、
その街、ゲームの弟切草、小説のこれ、すべてに共通して言えることがあって、それは文中に漂いまくる「オヤジセンス」
とにかく会話のおどけ方、ギャグの入れ方、シモネタの入れ方が、おっさんとしかいいようがない。


原材料……おっさん
以上


そんな力強さすら感じられるおっさん臭さである。
そこについていけないというか、ついていけないです。

元々、乱歩賞とってデビューしているのに、以降はテレビ畑でシナリオライターばっかやってた人だからなのか、とにかく会話の軽薄さが目立ちまくる。
軽薄すぎて、逆に読みづらい。どうしたものか。
それに映像化すれば映えるのかも知れない場面が、上滑りしすぎている。

慣れの問題なのかも知れないが、ともかく小説の文章と呼べる代物じゃないな。
が、そういう欠点のもろもろに目をつぶって構成だけに目を向けると、媒体とやり方次第によっては面白くなりえたかも知れないなあ、なんて思わなくもない。
やっぱテレビドラマとしてやった方が良かったんじゃないかな?
セットが安っぽくてもなんとかなるし。
と、メディアミックス企画の根本を否定しておいて、と。

それにしても、こういう古典的な道具立のホラーを見るたびに、梅図先生(ウメの正しい字の出し方知らないの)とタマミの影響力は計り知れないな、としみじみ思う。
タマミきもいよ〜

(06/5/2)










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