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南條範夫

タイトル評価一言メモ
駿河城御前試合うなシグルイはアレンジしすぎ





  駿河城御前試合

駿河城御前試合 (徳間文庫)
南條 範夫
徳間書店





寛永六年、駿河城主大納言忠長の思いつきで行われた真剣を用いての御前試合。
それは様々な遺恨をもった11組22人の男女でもって行われた。

盲目跛足 対 隻腕  ★『無明逆流れ』
ドM 対 普通の女  ★『被虐の受太刀』
峰打ち専門 対 逆恨み  ★『峰打ち不殺』
超絶不細工ストーカー 対 真人間  ★『ガマ剣法』
勘違い 対 勘違い  ★『相打つ「獅子反敵」』
いやな忍者 対 恋に生きる忍者  ★『風車十字打ち』
二刀流 対 普通の人  ★『飛竜剣敗れたり』
透視する槍術家 対 48の殺人技の一つ風林火山  ★『疾風陣幕突き』
孫の代わりに出てきた爺 対 爺の代わりに出てきた孫  ★『身替り試合』
石切 対 女喰い  ★『破幻の秘太刀』
陰険美形 対 死にかけ達人  ★『無惨卜伝流』
そして十一番試合の生き残りのその後 ★『剣士凡て斃る』


どうしようもない話だ。
いろんな奴がいたけど武士の意地とか女のとりあいでみんな死んだ。
何人か生き残ったけどやっぱり死んだ。そういう話。
ちなみに自分が読んだのはAAにある徳間の復刻版じゃなくて、河出書房版だったので、最後の『剣士凡て斃る』が載ってなかった。なんだかだまされた気分だ。

色々な事情が語られて、でも結局サクッと死ぬあたりが無惨というかもはやギャグの領域に入っている。
五編目くらいになると「はいはい、またみんな死ぬんですよね」という気分になってきて、一人でも生き残るとむしろ驚く。
剣豪小説として読むよりも、江戸時代の残酷物語として読むべきなんだろうが、ちょっと展開早すぎるし、ろくな奴がいないのでポカーンとしている間に話が終わってしまって、あまり感想らしい感想はない。
かなり古い作品のわりには、けっこう読みやすくて、特に会話文はかなり砕けて書いてあるので、そこは良かった。

漫画『シグルイ』の原作として近年では有名で、もちろんぼくもシグルイとの相違を知るために読んでみたのですが、いや、わかってはいたけど違いすぎ。
そもそも原作は30P程度なのに、何十倍に伸ばしてるんだよ。山口先生素敵過ぎる。
シグルイはすでに表紙からして半裸ふんどし占有率が異常に高い、臓物と男の楽園みたいな漫画だが、原作はそんなに半裸ではなかった。むしろ女がらみばかりだった。
だからまあ、率直にいうと、話としてのまとまり、クオリティは原作の方が上だと思うけど、やっぱりぼくはシグルイの方が好きです。

(08/11/12)










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