タイトル | 評価 | 一言メモ |
ミッドナイトコール | うな | うっかり書かれたオカルトやおい。 |
単行本未収録作品等 |
連作ホラー。あと、やおい。 SF的なメタファーで耽美させる芸風は、野阿梓ならではのものだなあ、と久しぶりに読んで思った。 あれだけ機械的でメタリックでデジタルな単語たちが、なぜちゃんと耽美になってるのか、読んでいても謎。 あといきおいでメタファーとかいったけど、メタファーの意味を正確に理解していない自分が好き。ぼくはムサファーしか知りません。まあ、調べたら暗喩のことらしいけど。 さておき、レーベルのことを考えてか、野阿先生にしては異常に読みやすい。いつもこれくらい簡単に書いてくれると、バカなぼくは嬉しい。 ★『ミッドナイトコール』 第一話。 文体以外はわりと普通のホラー。 霊の話からはじまり、理性的にそれを現実に解体させ、途中でエロスをいれつつ、また霊の仕業のように思わせ、しかし現実的な解答がふたたびしめされ、やれめでたしめでたし……と思いきや、最後の最後でまた霊になり、結局どちらともつかず読者に想像させながら終わる……という、なんというかプロの仕事。 そつがないが、それだけともいえる。 ★『コールバック』 第二話。 第一話とおなじ事件を、同じ時間軸で、べつの視点から描く。 こういうの好き。さりげなく書かれていた一話の会話の一つ一つの裏にあった、もう一つの思惑が明かされていく展開は見事。 的確な心理描写はやおいものとしても合格点。 科学とオカルト、現実と非現実のあいだを揺れ動く物語は、傑作というには粒が小さいが、なかなかの佳作といったところか。 ホラーとしては、もう少し現実を侵食するような怖さが出たほうがよかったとは思うが。 ★『ラストコール』 最終話。 ぶちこわし。 完全にオカルトにシフト。唐突に黒魔術でエクソシストしてます。 特にストーリーもないみたい。だからオチもあんまりないみたい。 黒魔術の知識とか描写はすごいような気もするが、内容がないような気がしてならないですよ兄さん。
ドリームアウト(アンソロジー『2001』収録) うな
これって落ちてる? レモン・トロツキーシリーズだけど、いつもと設定が違うのかしら? 中世? 眠り姫と夢の世界を題材に。相変わらずタンビ〜な世界が繰り広げられております。 文書と設定はいいと思うんですが、ここで終わっているのがなんとも理解できない。落ちてます? なんかはじまったばかりのような。 野阿先生は理解できません。 |