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酒見賢一

タイトル評価一言メモ
童貞うな珍味。
語り手の事情うなどう考えても現代の奇書
陋巷に在り〈1〉儒の巻うなぎ胡散臭い中華ファンタジーの傑作
うな





  童貞  うな

童貞 (講談社文庫)
酒見 賢一
講談社





歴史物?
古代中国?

説明がムズイが、女性上位の邑で育った若者が、治水という形で大自然に反骨することによって、女性より上位に立つまでを描いた作品?なのかな
人間が自然を制する精神性を得ていく過程を女性=自然に託して語った作品なのかな?
面白いんだけど、後半が駆け足過ぎてついていけなかった。
これの倍の文量でも面白い小説になったかと思う。

(06/10/2)






  語り手の事情  うな

語り手の事情 (文春文庫)
酒見 賢一
文芸春秋





ジャンルもよくわからない(SF?)
あらすじもうまく説明できない。
でも面白い。だが理解しきれない。

ヴィクトリア調時代のヨーロッパにあるとある洋館。
そこには性に関する妄想を抱いた人間が誘い寄せられるのだった。
年上のメイドは淫乱で童貞食いであるという妄想を抱いた少年。
女性化願望を抱えた中年貴族。
世界史は性奴隷の歴史だと盲信する男。
サッキュバスに憑かれた男。
「語り手」はそんなかれらの妄想を見、聞き、時に導きながら、さまざまな「事情」を語っていく。

まずあけすけな性描写が、逆に品良く映る描写力にうなり、さまざまな形の性の妄想に感心し、その奇抜な昇華法におどろき「語り手」や「主人公」「事情」などのメタフィクションな構図に混乱する。

裏の解説に「現代の奇書」と書かれていたが、そういいたくなる気持ちもわかる。
なんとも分類不能な作品だ。
しかし、それでなお読みやすいのが素晴らしい。

ちゃんと理解できたらもっと評価はあがったかもしらんね。
しかしこの作者、よーやるなー。
面白いというか、すごいな。
すこい。

(06/11/13)






  陋巷に在り〈1〉儒の巻  うなぎ

陋巷に在り〈1〉儒の巻 (新潮文庫)
酒見 賢一
新潮社





古代中国伝奇ファンタジー。

孔子に最も愛されながら、歴史になんの経歴も残さなかった謎の弟子、顔回。
彼こそは儒教的サイキック能力で孔子を守っていた歴史の立役者だったのだ!

という、一見すると安っぽい設定を、虚実織り交ぜていることをぶっちやけながら大胆に語る歴史大作。
とにかく、これ、すごい。
軽妙にして妙な説得力のある文体。
生き生きとしたキャラクターたち。
饒舌に語られる当時の風俗。
難解な当時の国々の対立と、その説明の明快さ。
中国特有の胡散臭さ。
時にのちの史実までも開陳する展開の巧妙さ。
すべてが絶妙にブレンドされ、一級品の娯楽作品になっている。
いや、たいしたもんだ。面白くってためになる(ような気がする)まさに娯楽の王道。
中華ファンタジーの一つの極みではあるまいか?とすら思いたくなる。
全十三巻らしいが、是非読んでいきたい。

(08/2/22)







  タイトル










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