タイトル | 評価 | 一言メモ |
垂里冴子のお見合いと推理 | う | 連作ミステリー。なんか面白くない |
ミステリー。連作短編集。 時は現代、いつも着物姿で眼鏡をかけ、おっとりと読書に耽溺する垂里冴子は、34歳の独身女性。 本人はまったく気にする風でもないのだが、お見合いマニアの伯母さんは、来るたびに彼女にお見合いを持ってくる。 しかし、お見合いのたびに、不思議な事件のおきること十数度、そのたびに彼女は見事な推理で事件を解決し、そしてお見合いは流れるのであった…… みたいな基本設定の元、テキトーに推理ドラマが展開されます。 「う」評価は低すぎるかなー、とは思う。 実際、この作者は下手じゃない。堅実な文章と大胆な設定が取り得の人なのだ。 が、今回は「無難な、普通の作品」を目指したみたいで、そうなると重要になるのはメインキャラクターの魅力なわけで、これが、うーん、一言で云うと「ありがち」そして「どうでもいい」。 設定をきいて「ああ、こんな感じのキャラかな」と思った、それ以上のものがまったく出てこない。 また、せっかくの連作なのに、登場人物同士の変遷が特になく、いまいちつまらないし、そのくせ、第1話では必要以上に設定や登場人物をたくさん出してきて、入り込みにくいったらない。 構成と伏線の張り方、処理はうまいんだ。 けど、だからどうしたって言いたい。 山口雅也はあんまり読んだことないし、今回読むのも久しぶりだったのだが、やっぱり性に合わないのかのう。 堅実なロジックによる推理とかにあんまり興味なかったりします、ぼくは。 |