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栗本薫 2000年


  顔  う  

顔 (ハルキ・ホラー文庫)
栗本 薫
角川春樹事務所





長編ホラー。
のっぺらぼう系の話。
お願いだからちゃんとストーリーを考えてから書いてください。
この話自体がのっぺらぼうですよ、ホント。なんにもない。
ここから栗本ホラーは終りのない樹海にはいるのでした。






  六道ヶ辻 死者達の謝肉祭  う  

六道ケ辻 死者たちの謝肉祭 (角川文庫)
栗本 薫
角川書店





大正浪漫シリーズ第五弾。

あらすじ
戦争から帰ってきた大導寺竜介が見たのは、荒れ果てた焼け跡であった。

ごめん、つまらない。
なにがつまらないって、この辺から現在の栗本薫の基本姿勢
「舞台背景をぐだぐだ説明してたら、気がついたらページ数が残りわずかになってしまったので、唐突に事件起こして唐突に解決させます」
という、ちょっとどうかと思うような感じがいよいよ明らかになってきて、うんざり。
とにかく事件が起こるまでが長いッつーの。
文章詰めろ、文章。半分以下に。そうすれば、ちゃんと事件を描写する余裕が出来るから。な?
悪いことは言わないから、そうして欲しいものだなあ。






  黄昏のローレライ ―キャバレー2―  うな  

黄昏のローレライ―キャバレー〈2〉 (ハルキ・ノベルス)
栗本 薫
角川春樹事務所





あらすじ
前途ある若きサックス奏者、矢代俊一は、四十代を迎え、ひらひらブラウスを可憐にまとう妖精さんになっていた。
妖精さんはスランプに陥り、しかもストーカーに悩まされていた。
そんなある日、若いころ世話になったヤクザ滝川が現れる。
老いた滝川は、ことあるごとに部下に「矢代はおれの女神」と漏らしており、とても嫌がられていた。
先輩と青春談義したり中国マフィアに襲われたりしているうちに、どうにかなってスランプを脱した矢代くんはニューアルバムを出したのですが、それが気に入らないストーカーに襲われました。
そこにやはり妖精をストーキングしていた滝川が登場。ストーカーを殺して刑務所に入って、病気で死にました。おしまい。

まず「なんでいまさらキャバレーの続編?」という疑問は尽きない。
そして帰ってきた矢代俊一と滝川さんはわりと別物になっていた。
無駄に長いし、内容薄いし、いかんともしがたい作品。
んが『死は優しく奪う』の主人公、金井恭平が出てきたので、これはこれで良し。 ぼく、金井さんけっこう好きやねん。男やないか。

矢代くんに関しては「これどこのアルフィー?」と云いたくなるくらい描写が高見沢さんでした。
いや、高見沢さんは偉いと思うよ。あの御歳まで乙女の夢を守りつづけているのだから。尊敬に値する。

それにしても矢代俊一の大ヒット曲『ワナビー』、売れなさそうなタイトルだな。
ワナビー。いまとなっては悪いイメージしか浮かばない。カタカナだからかっこ悪いし。
栗本先生の曲名のセンスのなさはどうにかならんのかのう。
わりとクリティカルというかクリミナルというか、そのレベルですぜ。
まあ、デビュー時から現在までその辺は一貫しているから、しょうがないか。

前作『キャバレー』がすごく好きな人は、今作以降の矢代俊一ものは見なかったことにするのをおすすめする。
作者がストレートに自己撞着しまくっているから、きっついんだよね。






  青の時代 -伊集院大介の薔薇-  うな 

青の時代―伊集院大介の薔薇 (講談社文庫)
栗本 薫
講談社





長編ミステリー。伊集院大介シリーズ。

あるベテラン女優のもとに、薔薇の花束が届けられる。
宛名は「伊集院大介」。
そして彼女は思い出す。大学時代の、伊集院大介との出会い、その時に大学の劇団で起きた、ある事件の顛末を。

これは、けっこう面白かった。
まあ、あいかわらずバタバタ展開でいい加減な部分もあるし、犯人も読めてしまう範囲内だが、そもそも犯人を推理する段階にいたっている大介シリーズが近年は少ないのだ。実に斬新なミステリーシリーズである。

若さゆえの葛藤。若さゆえの事件。
それを乗り越えた現在の自分を愛するという前向きな終わり方もふくめて、普通に楽しめます。多分。サブタイトルも珍しく決まっている。
小劇団を題材に「ああ、いるいる、こういう使えない役者志望」みたいなのもわりかし書けていた。
作品内容にまで深く言及していないので、天才演出家とやらである座長も、あまり馬脚をあらわさなかった。

でもまあ、文章自体はいつものアレなので、薦めたりすることは難しい。









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