伊集院大介ものね。 処女のうざい女子大生が冬休みに遊園地でバイトすることになったけど、遊園地で事件が起こってるぽいですよ、という話。 相変わらずミステリー要素うすめね。如何ともし難いね。 田舎にあるつぶれかけの遊園地ってのは、悪くない舞台設定だと思うんだけど、まったくいかすことなく話はすすみ、そして終わった。 偏屈少女の一夏の経験物で、ボーイミーツガールものなんだけどさ。 その少女の偏屈具合というか、偏ったプライドの持ち方がね、まあ嫌いじゃない。 嫌いじゃないけど、昔の薫ならこの三百倍はうまく書いたはずなのに…… ノートルダムの背虫男的な情念が事件の根底にあるなら、もうちっとそれを描写して欲しかったねえ。それが作品のテーマから外れるとしても。 つうかだらだらと事件と関係ない描写続けて、事件が起こったと思った瞬間には大介が出てきて全部解決しました、というのは反則過ぎるだろう。 常に斬新な薫でした。
ホラー。長編。 小学生の男の子が林間学校にいったらそこかしこに指があった。 ……さよならを云う気もない、悲しすぎて…… こらあかん。ダメだ。もうね、へんへはこの角川ホラーのシリーズやめなさいと。 『家』『町』まではまあよかったが、その後の『顔』『壁』そしてこの『指』 これはいかん、あきまへん。 こんなことをしてもなにもいいことあらしまへん。 そもそもね、オチがみんな同じですよ先生。 なんかね、わかった気がしないでもない。旦那がいけないんだ、旦那が。 甘やかしすぎたんだよ。以前のへんへには、格別の被害者意識と同時に、過剰防衛的な、強烈な攻撃性があったじゃないか。 その攻撃性がなくなったんだ。で、被害者意識は強いのに、事態の解決は他者に委ねているようなところがあっ、それがいくないんだ、きっと。 とりあえず、なんだ、一冊完結のやつくらいは、きちんとプロットを練ってみてもいいのでは? あと、小学生が幼すぎて本当にきもい。ペドか、お前は。
なんか、自作のCDの曲目を小説化した短編集。 正直、久々の短編集で期待したわけですが…… ★『紅椿』 いや、悪くないんですけどね。 母親に疎まれる肺結核の姉がいて、幼い自分は姉にひそかな思慕をつのらせていて、しかし姉が疎まれるのには理由があって、と。まあ蔵の中蔵の中。 結局雰囲気だけの話というか。 ★『あの夏〜モーニングライト〜』 『キャバレー』のおまけの話。 なんでいまさらキャバレーのサイドストーリーを? という最大の疑問が。 まあ、出来もキャバレーのおまけ程度で。 ★『黄昏の名探偵・望郷編』 いや、狙いはわかるよ? うん、その路線はとても好きだ。 あとがきで作者本人がいっているように『わがよき狼』(筒井康隆の短編)とかその辺の「ヒーローの時代が終わってしまったあとのヒーロー」ですよね。アバレンジャーがフリーターになっているような。そんな。 いやあ、安っぽいSF設定がなければねえ。ほんとにねえ。 ★『薔薇廃園〜亡き王女のためのパヴァーヌ〜』 いやあ、これもまた強烈に雰囲気だけの作品ですな。 しかし、なんというか、最近の栗本先生のかく受けの子は、少々というかかなりというか、下品すぎて、色キチガイみたいなのはどうか? というか竹宮先生の受け小僧みたいになってますよ先生。 いや、栗本先生自体は竹宮恵子全然OKだからかまわんかもしれんが、ぼくは竹宮先生はちょっと……なので、できれば勘弁していただきたい。いや、ホントに。 |