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うなグインサーガ


 はじめに

グイン正史というのは、現在のグインサーガの展開に納得のいかない人が「こうすべきであった!」と妄想展開を垂れ流し、それを見た人が「それいい!こっちこそ正史!いま出ているのは偽史!」という、要するにとても痛いことだ。

ぼくも長らく読者をやっているので、こうなるんだろうなあ〜という展開予想はあり、そしてその展開予想はことごとくずっこけ外れているので、それら全部をつじつま合わせればおれ正史が完成するぞなもし。
そんな気持ちでさっきからおれ正史のまとめに着手したんだが、これが存外にめんどい。人に見せられないようなメモ程度の文章なのに、けっこう長いし、つじつま合わせがだるい。
だるいけど楽しい。だる楽しい。
そんなわけでうなグイン正史、近日垂れ流すので、楽しみにしててください。
でも完成しないかもしれない。それは誰にもわからない。
わからないからこそ、人生は楽しい。そうでしょう?

で、そうやってグインの流れを思い出してて気付いたんですが、そういえば、栗本薫って人気の出る死に様って書かないよな。
漢死にっていうか「遅かったじゃないかミッターマイヤー」というか「我が生涯に一片の悔いなし」というか、ああいう中学生が憧れる死に方って、書かないよな、昔から。グインはファンタジーで戦記物だから、もう恐ろしいくらいにそういう需要がありまくるのに。
まあ、書かないんじゃなくて、書けないんだけどさ。

基本的に、救いのない惨め死にか、気が付いたら死んでたあっさり死にか、死ぬ前に女々しいことをだらだらとかきくどく女々死か、その三択だよな。惨め死にはまあいいとして、戦記物で女々死はあかんわなあ。
死ぬときに適当にカッコつけさせてやりゃ、どのキャラのファンも納得するのになんでそれが出来ないんだろうなあ。それをやってたのって、全著作あわせてもトーラスのオロくらい? その代わり、彼は登場した瞬間から死亡フラグ立ちまくってて、感動も糞もなかったんですけど。

と、つらつらとやっているうちに、完成しました、うなグインサーガ。

だいたい、44巻「炎のアルセイス」までは本編と同じ展開を想定しています。
まとめると

・グインは北の大国ケイロニアの将軍。
・王女シルヴィアは闇の司祭グラチウスにさらわれ、シルヴィア救出の暁にはグインがケイロニア王となることが約束されている。
・二度目のユラニア戦役が終わった直後

・イシュトヴァーンはモンゴールの将軍。
・クム、ユラニアを潰し、ゴーラの建国を企んでいる。
・ユラニアは実質滅んでいる。
・クムとモンゴールは水面下で争っている。
・カメロンとアリストートスが政争中

・パロはレムスが王。しかし怨霊カル=モルにとりつかれ、暗君となっている。
・ナリスとリンダは結婚済み。しかし未貫通。
・ナリスはなんかこちゃこちゃ企みつつ、反乱の首魁にさせられかけてる。
・ヴァレリウスはナリスはまだケンカ友達的。

こんな感じかな?
実はおれもよく覚えてないです。
もちろん細かい伏線とか設定とか、覚えてないし、調べる気もないデース。
だからツッコミ入れられても僕しりませーん。
そんなわけで、おれ正史をはじめる。


 45-50巻

※実際の展開

グインはシルヴィア助けに行って行方不明だよ。
その顛末はなぜか外伝で描かれるよ。
イシュトヴァーンは孤児拾って可愛がってたら、嫉妬したアリに殺されたよ。
パロではレムスとナリスの仲がぐんぐん悪くなってるよ。
なんくせつけられてナリスが幽閉されたよ。そんで拷問されたよ。
それが原因でナリス派の学生が暴動起こしたよ。


※うなグイン

グラチウスにさらわれたシルヴィアを救うため、グインの旅が始まる。
ノーマンズランドから妖魔の国を抜け、キタイへと足を踏み入れる。
そこでグインは、キタイの竜王ヤンダル・ゾックに反旗を翻さんと牙を研ぐ若者リー・リン・レンや。暗殺組織・望星教団教主ヤン・ゲラールらと出会い、ヤンダルが中原を狙っていることを知る。
来るべき戦いの時には協力し合うことを誓って別れる三名。

旅路はキタイを越え、ついにその先、前人未踏といわれる山々にまで及ぶ。
そこでグインはこの世の果てといわれるカリンクトゥムの滝を見つけ、その扉をくぐる。(伏線消化『カリンクトゥムの扉』)
カリンクトゥムの扉の先は、精神世界であった。
肉体を捨ててはじめてたどりつけるがゆえに、この世の果てなのだ。
グインは精神世界で大導師アグリッパと遭遇する。
この宇宙には肉体を捨て、精神体となったがゆえに高度な文明を築いた超越者たちがいるとアグリッパは語る。彼の目的はその域に達することなのだ。そしてグインこそその一族なのではないか、と。

アグリッパはグラチウスの居場所を知っていた。
現実世界に戻ったグインは、アグリッパの教えに従い、ついにグラチウスの根城を発見する。そこはかの悪名高いドール教団の本拠であった。
ドール教団本拠に乗り込んだグインは、死闘の末、シルヴィアをたぶらかした淫魔ユリウスを討ち果たし、ついにグラチウスをも追い詰める。
しかしその時、グラチウスの最後の秘術が施される。
闇の神、ドールの召還である。(伏線消化「俺はドールその人とすら戦ったことがある」)
苦戦しながらも、妖魔の国やキタイで得た仲間や魔剣の力をもって、ドールを退けるグイン。数百年を生きる闇の司祭とはいえ、所詮人の身に過ぎぬグラチウスではドールを完全な形で召還することは出来なかったのだ。
敗れたグラチウスは最後の力でなんとか逃げおおせるが、この事件により多くの力を喪失。ドール教団も勢力を弱体化させることとなり、グラチウスは長らく地下に潜伏することとなる。

こうして無事、シルヴィアを救い出したグインはケイロニアへの帰途に着くのであった。
(姫を救い出して折り返し地点ってのがキリがよさそう)


 51-55巻

※実際の展開

学生の暴動はヴァレリウスが鎮圧したよ。そのせいでヴァレは悪者扱いだよ。
拷問を受けたナリスは片足を切断したよ。なんとおいたわしい。
リンダはヴァレと一緒にレムス派の陰謀を阻止しようとするよ。
その頃、モンゴールでは過去の悪事を隠蔽するため、アリがゴダロ一家を狙っていたよ。
困ったマリウスはなぜかわざわざグインを訪ねに家出し、オクタヴィアは偶然からカメロンに助けられたよ。
アリの陰謀でユラニア三醜女とクム三公子が罠にかけられ、半分くらい死んだよ。
それが原因でクムとモンゴールで全面戦争開始だよ。


※うなグイン

しかし、すべてはヤンダル・ゾックの罠であった。
中原支配の邪魔であるグインを引き離し、あわよくばキタイでの敵対者グラチウスをも排斥しようという思惑だったのだ。
ヤンダルの目論見は、まずはレムスに憑いたカル=モルの悪霊を利用し、パロの宮廷を掌握。同時にモンゴールの軍師、アリストートスの妄執につけいり、本人も気付かぬうちに操って、イシュトヴァーンにゴーラを建国させる。
最後にパロとゴーラに同盟を組ませることによって、グイン擁するケイロニアに対抗させる、というものであった。

ヤンダルはパロ国内での邪魔者、クリスタル公ナリスを捕らえるため、学生街アムブラを利用し大規模な反乱をおこし、ナリスを反逆者にしたてあげようと画策する。
しかし早期にこの動きに気付いたナリスは、アムブラを遠隔的に扇動し、まだ組織が小規模な時点で反乱をおこさせる。
結果、反乱はすぐに鎮圧され、ナリスもこの件への関与を否認し、無罪放免。
ヤンダルの計画の歯車はずれ、逆にこの件でナリスはレムスにとりついたキタイ王の目論見を察知、独自の活動を開始することとなる。

一方、モンゴールではヤンダルの計画通り、イシュトヴァーンはクムとユラニアを平らげ、アムネリスを幽閉し、ついにゴーラを建国するにいたる。
血まみれの覇王の道を着々と進むイシュトヴァーン。
そこへ届く一通の密書。差出人はクリスタル公アルド・ナリス。ナリスは二人きりで密談をしたいという。求めに応じ、部下一人だけを連れてナリスのいるマルガへと潜入するイシュトヴァーン。
中原の歴史が、大きく動こうとしていた。


 56-60巻

※実際の展開

モンゴール対クムはモンゴールの大勝利に終わったよ。
ナリスに会いに行ったイシュトは、無理やりナリスと同盟を組んだよ。
帰り道でグラチウスに絡まれたけどなんとかなったよ。
実はアリが自分の昔の部下を殺していたことを知って、むかついたので殺したよ。


※うなグイン

ナリスの密談とは、反乱をおこすので同盟して欲しい、ということであった。
急な話にはじめは返事を渋っていたイシュトヴァーンだったが、ナリスの甘言についには首を縦に振る。かくして、パロ反乱軍とゴーラの間に同盟が締結された。

それからしばらくの後、ナリスは祝賀の宴を開き、多数の貴族を呼び集め、その席で反意をあらわにする。従わなかったベック公ファーンやリーナス伯爵を拘留すると、そのままパレスを急襲、国王夫妻を捕らえ、混乱のうちにあるクリスタルを制圧。神聖パロ王国を掲げ、自らを聖王ナリス一世と名乗るのであった。

混乱はパロ全土にひろがり、すぐさま国王救出の軍が国内外から集まったが、クリスタルから一歩も出ないナリス軍と、郊外で睨みを聞かせるゴーラ軍のため思うように動けず、戦線は膠着状態となった。
その間を利用し、主人であるリーナスを人質にとられ、ナリスの参謀となったヴァレリウスは、中立派を説得。すこしづつ地盤を固め、神聖パロを確立させていく。
一方、王となったナリスはこれまでと一転、民に重税をかけ、自らは怠惰な放蕩にふけるという、悪政のかぎりを尽くしていた。いさめに来た妻のリンダをも拘留し、ナリスは稀代の暗君として瞬く間に中原に悪名をとどろかす。 そして人々をいつしかこう噂する。
闇王朝の再来だ、と。

この知らせを聞いて驚いたのは、モンゴールの片隅に暮らすマリウスであった。
豹変した兄の真意を探るため、妻に別れを告げ、クリスタルへと旅立つ。しかしたどりついたクリスタルで、マリウスはナリスに会うこともできず、牢にとらわれる。

その頃、ゴーラ軍に異変があった。
ナリスは密約を守らずイシュトを冷遇。
アリはいらだつイシュトを煽り、パロを占領させようとする。
カメロンはイシュトを止めようとするが、アリに邪魔される。
業を煮やしたカメロンはついにアリストートスを殺し、出奔。
「奴さえいなければイシュトは平気だろう」
しかしカメロンの親心はイシュトには届かなかった。
カメロンに捨てられたと思ったイシュトは、なかばやけくそに神聖パロに戦いを挑もうとするのであった。


 61-65巻

実際の展開

生意気なユラニアをシメてやる!
イシュトヴァーンが見守る中、制裁は行われた。
ゴーラ三国によるド迫力WARS!しかし戦争はまだはじまったばかりだ……

イシュトンがネリィとタルーを倒してユラニアを制圧したよ。
名のみとなっていたゴーラ皇帝サウルが死んだよ。
いろいろあって、イシュトンがゴーラの皇帝になったよ
。 その頃、いつのまにか元気になっていたスカールがナリスに会いにきたよ。
ナリスは反乱をおこす決意をぺらぺら語りだしたよ。


※うなグイン

不穏な空気の漂うパロの戦線に、ついに救世主が現れる。
先ほど帰還して、ケイロニア王を戴冠したグイン率いるケイロニア軍である。
グインはリンダの密使を受け、ナリスを止めるために来たのだ。
ケイロニアはゴーラ軍に完勝。イシュトヴァーンを捕らえる。
この敗北を機に、イシュトは本当に強い軍隊をつくることを志すのであった。
グインはそのままクリスタルへ侵攻。思いのほかもろい防衛線を突破し、パレスへとたどり着く。

その頃、ナリスは聖騎士リギアに、草原の国アルゴスへの援軍要請の使者を命じていた。
アルゴスはレムスの妻の故国である。レムス夫妻を捕らえたナリスに対し、援軍をよこしてくれるはずもない。リギアはナリスが自分を逃がすつもりなのだと悟る。
リギアは騎士の誇りとともにここで死ぬと言うが「私にスカール殿に怒られろと云うのかい?」と、ナリスはなかば強引にリギアを使者に出す。それは彼がこの乳姉弟に見せた、生涯最初で最後の本当の優しさであった。
やがて、グインはわずかな兵をつれて、玉座の間にたどりつく。
部屋の入り口を守っているのは、老騎士ルナン。
かなわぬと知りながらも、ルナンはグインに一騎打ちを挑む。 「二度も……二度も主に置いていかれ、生きていけるものか」
老騎士は主君を王位につけたことを誇りに思いながら、その生涯を閉じるのであった。

玉座にて対峙するグインとナリス。
ナリスは穏やかな笑みを浮かべ、カラム水の注がれたグラスを操っていた。
「なぜ反乱など起こしたのだ」
そう問うグインに、ナリスは答える。
「王になりたかった。ただそれだけだよ」
グインは降伏を勧めるが、ナリスは首を振る。
「バロの守護神たるクリスタル公が、戦わずして負けるわけにはいかないのだよ。残念ながらね」
ナリスはカラム水を飲み干すと、レイピアを抜いて立ち上がる。
ナリスとグインの決闘が始まる。  ナリスは意外な腕前でグインに一矢を報いるが、圧倒的な実力差の前に敗れる。
ナリスは古代機械の秘密をグインに託すと
「最後に豹頭王に会えて嬉しかったよ。リンダを頼む」
それだけ言い残し、ついに帰らぬ人となる。
カラム水に、毒を入れていたのだ。

その後、ヴァレリウスの口からナリスの真意が語られる。
ヤンダル・ゾックの目論見を察知し、このままではパロ全土が荒らされると悟ったこと。
ヤンダルに操られたレムスの名声が地に落ちるのを愁いたため、反乱をおこしたこと。
すべてはパロの平和のためであったのだ。
稀代の暗君として歴史に名を残すこととなるアルド・ナリスの、それが真実であった。

ヴァレリウスはグインに頼み、古代機械を起動させる。
行先はノスフェラス。
ナリスが生前、一度でいいから見てみたいと望んでいたノスフェラスに連れて行ってあげたかったのだ。
ノスフェラスについたヴァレリウスは、砂漠の上にナリスの死体を横たえ、しはらくその場にとどまっていたが、やがて砂漠の向こうへ去っていく。
アルド・ナリスの遺体はノスフェラスの太陽に焼かれ、風化し、砂となり、ついに砂漠の一部となるのであった。

失意のヴァレリウスはノスフェラスをさまよううちに隠者イェライシェに保護され、彼の後継者となるのだが、それはまた後の話である。

こうしてヤンダル・ゾックの脅威は去り、パロは再びレムスが王となる。
カル=モルの怨霊も取り除かれ、レムスは完全に立ち直る。そしてナリスに恩義を感じたレムスは正しい王の道を歩み始めるのであった。
兄の真意を知ったマリウスはしばし国にとどまり、王族としての義務を果たすことを誓う。
ゴーラは戦敗国の常として不利な条件でケイロニアと和睦、イシュトヴァーンも釈放され、中原はひと時の平穏を得るのであった。


ワンポイントレッスン
・結局、うなグインにおいてナリスっていい人なの?

いいえ、自分勝手なアホです。
王様にもなりたいし、パロを救う英雄にもなりたいし、悪い子ぶりたいし、男にも女にももてたいし、具体的にやりたいことはないし、なにもかも放り投げだしたいし、この世の神秘も見極めたいし、ひきこもってボケーっとしたいし、カッコよく早く死にたいし、長生きしたいし。
要するに、隣の芝生がなんでもかんでも青く見えるタイプの人です。
支離滅裂な言動が目立ちますが、基本的にほとんど嘘は言っていません。そのときはそんな気がしてるんです、彼。隣の芝生が青かっただけで。
反乱をおこしたのは
「王様になれるし、悪者としてみんなに憎まれるし、でも実は世界を守るヒーローだし、レムスをいじめられるし、そのうえ恩も着せられるし、面倒なことになる前に死ねるし、なんつーかチョーカッコよくね?」
という、とても打算的で自分勝手で支離滅裂な理由によるものです。
最後もカッコよく死ねて満足でしたとさ。
なまじ顔がよく才能が凄いので、周りの人間が過大評価してしまい、神秘的に見えるだけで、要するにものすごく子供なんです。
ヴァレリウスはそんなナリスの本質に気付き、「(頭が)かわいそうなお人」だと思って終生見捨てられずにいたのでしたとさ。


 66-70巻

※実際の展開

スカールさんが星船のことを色々話したよ。
ナリさんに協力しようとしたけど、イシュトンが嫌いだから帰ったよ。
グインが帰ってきて、ゴダロじいさんに会って、オロの最後を伝えたよ。
オクタヴィアはグインやマリウスと一緒にケイロニアに帰ったよ。
そんでグインはシルヴィアと結婚してケイロニアの王様になったよ。
イシュトンは昔の悪さをほじくりかえされてむかついたので、モンゴールを潰して、アムネリスを幽閉したよ。いらいらしてる時にミロク教の娘をいじめてたら、なんだかミロク教が気になってきたよ。
ナリ公はやっと反乱を起こす気になったよ。


※うなグイン

ゴーラを出奔したカメロンはヴァラキアに戻っていた。
実績と人望により、特に大公からの許され、ふたたび提督として海軍を率いていた。
おさまらないのはイシュトヴァーンだ。
自分を捨てたカメロンが許せず、沿海州とゴーラの仲は悪化の一途をたどる。

カメロンを疎むものが他にもいた。
沿海州の巨魁アンダヌスと女傑ヨオ・イロナである。
カメロンの去ったあと、沿海州を思うままに操っていた二人は、彼の帰還を疎ましく思っていた。カメロンを排斥するため、二人はイシュトヴァーンに密使を飛ばす。

一方、イシュトヴァーンは強い軍隊をつくるため、モンゴールとの軋轢は避けるべきだと判断し、捕らえていたアムネリスを懐柔に行く。アリが死に、カメロンが去った今、アムネリスなら自分を愛してくれるかもしれないという淡い期待もあった。
しかし、アムネリスはもはやイシュトヴァーンに騙されまいと深く誓っていた。
懐柔されたフリをして牢から出、旧モンゴールの不満分子を鎮圧化するという名目で戻ったトーラスで、反ゴーラの狼煙を上げる。
神聖パロ陥落の際、ランズベール塔地下で発見された仮面の騎士アストリアスの助けを得、アムネリスはモンゴールの復活に成功する。

トーラスにはオクタヴィアがいた。娘マリニアを出産していた
夫マリウスの消息を知らぬオクタヴィアは、動乱の続くトーラスにいる危険を感じ、娘のためにケイロニア王家に戻ることを決意し、旅立つ。マリウスの迎えがトーラスについたのは、タヴィアの旅立ちから数日後のこと。
愛しあう二人は再び二つの王家に引き裂かれるのであった。

ケイロニアにもまた、問題が発生していた。
多忙なグインと精神状態の不安定なシルヴィアの不仲が深刻化していたのだ。
グインはなんとか時間をつくり、シルヴィアとの仲の修復をはかるが、オクタヴィアの帰還などもあり、こじれていく一方。
諸侯にはシルヴィアの味方をし、グインを批難するものもあらわれ、ケイロニアの一枚岩は怪しくなってくる。

この時期「七人の魔道師」事件が起こり、ついにグインはキタイの竜王ヤンダル・ゾックと相見える。
そして、事件のときに知り合った踊り子ヴァルーサを愛妾として連れ帰るのだが、これが後の悲劇につながるとは、グインは想像もしていなかったのであった。


 71-75巻

※実際の展開

ナリ公の反乱は初手から敵に先手打たれてうまくいかないよ。ヤンダルすごいよヤンダル。
リンダはヤンダルさんに捕まったよ。ナリ公はなんとか逃げながら身を守るよ。
「ヤンダルまじヤバイ」そう思ったグラ爺がヴァレを助けたよ。
ヴァレは大導師アグリッパに会いに行くことにしたよ。じいさんヘルプ!
アグリッパは「超越者」とか「調整者」とか「星船は生きてる」とかいろんな事を教えてくれたよ。でも助けてくれなかったよ。無駄足だったからヴァレはパロに帰ったよ。
帰った頃にはナリ公はけっこう追い詰められてピンチだったよ。


※うなグイン

新生モンゴールを立ち上げたアムネリスは各国に反ゴーラの激を飛ばす。
この激が中原を動かすこととなる。
パロ、アルゴスは沈黙を守ったのだが、沿海州が動いた。
アムネリスを憐れに思ったカメロンがヴァラキアを動かしたのだ。
これを好機とみたアンダヌスは「沿海州の平和を乱すもの」として、カメロンと表立って対立をする。無論、裏でゴーラとつながっているからこその強気な態度であった。
しかしアンダヌスの思惑は外れ、ゴーラとモンゴールの内乱は膠着状態が続くことになる。生き延びていたクムの公子、タルーがユラニア・クム両国の不満分子をまとめ、モンゴールに協力をしていたのだ。

イシュトヴァーン率いるゴーラ帝国と、カメロン率いるモンゴール連合の戦いは、長く激しく続くこととなる。
その激しい戦いの中、突如あらわれた謎の小集団がイシュトの本陣を強襲する。
恋人リーファの仇を討たんと、虎視眈々とチャンスを狙っていたスカールの部隊であった。
イシュトはスカールと一騎打ちし、もつれ合いの中、崖下へと転落して行方不明となる。

イシュトを発見したのは、単身彼をさがしにきたカメロンその人であった。
自分はイシュトを捨てたのではない、正しい王になって欲しかっただけだ、というカメロン。
しかし捨てられたという想いに凝り固まったイシュトヴァーンは信じない。
その時、執拗に追跡してきたスカールの凶刃がイシュトを狙う。
それを庇うカメロン。
「なんで俺を助けたりしたんだよ。俺とあんたは敵同士なんだぞ」
「父親が息子を助けるのに、理由がいるのか?」
命を落とすカメロン。だが、自分の信ずる道を生きた彼はそれで満足であった。

カメロンを失い、モンゴール連合の敗色は濃厚かと思われた。
しかし、戦局を覆す事件が発生する。
シルヴィアがケイロニア軍の派遣を決定したのだ。
愛妾ヴァルーサと蜜月を過ごすグインへの反発という、つまらぬ理由によるものであったが、この件でグインとシルヴィアの政治的対立は深刻化。
さらに嫉妬に狂ったシルヴィアはヴァルーサを暗殺。ケイロニアはグイン派とシルヴィア派に分かれることとなるのであった。


 76-80巻

※実際の展開

ピンチだったのでナリスは自殺したよ。
びっくりしたスカさんが訪ねてきたよ。でももちろん嘘死で仮死状態だったよ。
むかついたスカさん帰ったよ。ついでにリギアも出てったよ。
ヴァレにくっついてついてきたイェライシャの便利機能のおかげで、態勢が立てなおったよ。
そんで首都から逃げて、となりの街で神聖パロ王国を立ち上げたよ。
パロがいろいろ大変そうだからグインがケイロニアから出張ってきたよ。
目立ちたがりのイシュトンも出張ってきたよ。
でもパロにつく前に、なんか生きてたタルーに絡まれたよ。
むかついたからサクッとタルーを殺したよ。


※うなグイン

派兵を決めたシルヴィアであったが、グイン派に邪魔され、思うように進軍はできず、ただいたずらにケイロニア国内を乱れさせるばかりであった。
一方その頃、イシュトヴァーン陣営に意外な人物が現れる。
死んだはずの軍師アリストートスである。
重傷を負い、不具の身と成り果ててはいたが、逃げ延びていたのだ。
アリはモンゴールに手こずる状況を利用し、再びイシュトヴァーンに取り入る。
イシュトもまた、カメロンを失った空虚さから逃げるため、アリを受け入れる。

アリの策略により、ついにアムネリス率いるモンゴールを追い詰めるゴーラ。
イシュトヴァーンはアムネリスに降伏勧告をする。
「戻ってこいよ。本当は、今でもおれのことが好きなんだろう?」
確かに、アムネリスは夫への恋情を断ち切れてはいなかった。だが、彼女は誓ったのだ。
「私はもう二度と、誰の思い通りにもならぬ」
断固としてそう告げると自らの命を絶つアムネリス。すかさずその後を追うアストリアス。

こうして、イシュトが自らの幼き息子、ドーリアンを捕らえ、ゴーラ−モンゴール戦役は一応の終結を迎える。
だか直後、事態はもっと大きな局面を迎えることとなるのであった。

グイン派との小競り合いに業を煮やしたシルヴィアが、つい先ほどまで敵対していたゴーラと同盟を締結。勝利の暁にはケイロニアの半分を与える約束で、グイン派に全面戦争を挑むのであった。
シルヴィアは「売国妃」の異名を持って諸国に知れ渡ることとなるのであった。(伏線消化『売国妃シルヴィア』)


 81-85巻

※実際の展開

グインはクリスタルに着いて、ヤンダルinレムスと会ったよ。
口喧嘩に勝ってクリスタルパレスに入場したよ。なんか魔界村みたいになってたよ。
レムスがぐだくだうるさいので、ほっといてリンダを連れて帰ることにしたよ。
普通じゃ帰れないので地下の古代機械でワープして帰ったよ。
イシュトンはナリス軍に協力して戦ったよ。でもなんかナリ公が冷たいよ。
ぐじぐじしてたらスカールに襲われて崖下に転落したよ。
そこでヤンダルさんに出会って催眠術かけられたよ。
「ナリス、まじ、むかつく」イシュトンはナリ公を拘束したよ。
そんなわけで、頭の悪いイシュトンは、グインと軍隊でケンカすることになったんだよ。


※うなグイン

大帝アキレウスはついにシルヴィア討伐の命をグインに下す。
ゴーラ-シルヴィア連合とグイン-ケイロニアの間で大戦がはじまる。
戦いは苛烈を極め、歴戦の勇士や十二神将すらも倒れる激戦となるが、やがて最終局面を迎え、イシュトヴァーンとグインの一騎打ちとなる。
以前の敗北より研鑚を重ねたイシュトは最強の戦士となっていた。
しかし、カメロンの死が、イシュトの心境に変化を与えていた。
自分が求めていたものは、ただ与えられるだけの愛ではない。それはキリがない。
本当に欲しいものは、自らが与える愛であるのだと。
うすうす気付きながらも、認めることが出来ずに自らを戦いに駆り立てた。
その弱さを、グインとの戦いの中で認めたとき、イシュトヴァーンは自ら剣を下げていた。
「一つだけ聞かせてくれよ、グイン。俺は、ちったぁ強かったかい?」
「ああ。お前はおれの知る、最強の戦士だ」
グインの応えに満足したイシュトヴァーンは、アリストートスの元へ行く。
「アリ、お前はおれだ。醜く、卑怯で、自分に嘘ばかりをついてきた。だからこそ忌み嫌いながらも離れることができなかったんだろうな。だが、もういい。先に行け、アリ。おれも、じきにドールに会いに行く。いままでありがとうよ」  笑いかけながら、優しくアリストートスの首を刎ねるイシュトヴァーン。
彼の言葉は、アリストートスの報われぬ魂にとって、唯一の慰めとなったであろうか。
首だけになったアリは、かつてないほど満足げな笑みを浮かべていた。

こうしてゴーラは敗北し、シルヴィアは捕らえられた。
イシュトヴァーンはケイロニアの要求を受け入れ全面降伏。
この戦いを機に、イシュトヴァーンは剣を捨て、かつての幼馴染みヨナの進言のもと、ミロク教を国教とし、周辺諸国と恒久的な相互不可侵条約を結ぶ。

一方、ケイロニア。
捕らえられてなお父と夫を面罵するシルヴィアを、アキレウスは自らの手で斬る。
すると、シルヴィアの体内より不気味な精神体があらわれ「我が名はアモン」と名乗り、ケイロニアを嘲り笑うといずこかへ消えてしまった。シルヴィアはアモンに操られていたのだ。
「ありきたりな愛を欲しがる娘に、ただそれさえもわしは与えてやることができなかった」
アキレウスは娘を殺した自らの腕を落とし、目を潰し、俗世を捨てることを決意。皇帝位をグインに譲渡しようとする。
が、グインもまた、自分こそがケイロニア皇家を乱した者であるとして、自らの王位を剥奪、国外永久追放とし、一夜のうちに単身でサイロンを出ていた。
ケイロニア皇家はオクタヴィアを女帝とし、皇女マリニアの婿を後継ぎとすることとなる。


ワンポイントレッスン
・アリさんはなに考えてたの? やっぱホモ?

うなグインでは、ゴーラ-モンゴール戦役でアリが復活した際、彼の空白の期間を埋める外伝『ガルムの恋』が出版されることになっています。
『ガルムの恋』はアリの少年時代と現在を交互に語る話です。
では、その少年時代をダイジェストでお送りしましょう。

生来の醜さにより忌み嫌われ、母に捨てられたアリストートス。
人々に虐げられながら村々を転々として生きている。
そんなある日、ある村で出会った一人の心の優しい少女。
村で激しく虐げられていた少女はアリに優しく接します。
「こんな村、なくなっちゃえばいいんだ。私が王様だったら、もっとみんなが優しくなれる国を作るのに」
「じゃ、じゃあ、お、おれがお前を王様にしてやるよ」
固く誓ったアリ少年は、軍師になるための旅に出ます。
書物を盗んだり私塾に忍び込んだりして、独学で勉強を積むアリ少年。
数年後、少女の住む村に戻ってきたアリは、少女を虐げていた村に復讐するため、盗賊たちを使い、村を壊滅させます。もちろん、少女は無傷で捕らえるように命じてあります。
「迎えに来たよ」
優しい声で少女を迎えるアリストートス。
「ありがとう、アリストートス」
そう云ってくれることを信じて。
しかしアリの前に現れたのは、彼に憎しみのまなざしを向ける女性でした。
成長した少女は村の青年に見初められ、幸せに暮らしていたのです。
その夫は、盗賊たちに殺されました。
「化け物!」
激しくなじる女性を、アリは殺してしまいます。
こんなはずじゃなかったのに、すべてお前のためだったのに、と思いなから。
その後、どん底人生を続けたアリは、彼女を殺した記憶を消し去ります。
記憶の中にあるのは「おれはあいつを王にしてやるんだ」という思いだけ。
あいつが誰なのかも、わからないままに。
この世のすべてを憎みながら、自分が殺してしまったあいつを捜しつづけるアリ。
苦しみだけのアリの人生において、その思いがすべてだったのです。
そしてついに、アリはイシュトヴァーンに出会います。
妄執の中で美化された少女を成長させた姿こそ、イシュトそのものだったのです。
「おれが、おまえを王にしてやる」
アリはイシュトに囁き続けます。
いつの日にか、あの少女が笑い
「ありがとう、アリストートス」
そう云ってくれることを信じて……

と、いうわけで。
要するに、うなグインでもアリさんはガチホモです。



 86-90巻


実際の展開

イシュトンは馬鹿だから、わりとあっさりグインに負けたよ。催眠術とかれたよ。
その頃、幽閉されてたアムネリスは子供を産んだよ。ドリアンくんだよ。
臭そうな名前だね。でも悪魔の神様をもじった名前なんだよ。
満足したアムアムは自殺したよ。
グインとナリスが会ったよ。
ナ「生グイン様の生豹頭におさわりしてもよろしいですか?
ナ「本当に豹頭だなんて、悔しい……でも感じちゃう……(ビクッビクッ)
感じすぎて本当に逝っちゃったよ。
グインが古代機械のマスターになったよ。
ナリーンのお葬式したよ。
どさくさにまぎれてイシュトンがリンダとより戻そうとしたら、ふられたよ。
実はヤンダルさんは実家のキタイが大変なので、帰ってたよ。
留守番にアモンくんを残したよ。で、グインはアモンくんと戦うことにしたよ。
パロ軍と戦ってサクサク勝って、サクサクとクリスタルに乗り込んだよ。


※うなグイン

第二の故国ケイロニアを去ったグインは、再びランドックを求める旅に出る(伏線消化『ランドックを求めて』)
中原に居場所のないグインは、約束を思い出しノスフェラスへ帰還する。
セムやラゴンの歓待を受け、しばしの安らぎを得るグイン。
そのグインのもとを訪れる意外な人物がいた
パロの王姉リンダである。
ナリスを失い、レムスも立派な王となった今、リンダはパロにいる意味をなくしていた。そんな折、長年つきしたがってくれたセム族の侍女スニが病に倒れてしまったという。
せめて故郷ノスフェラスで死なせてやりたいと思ったリンダは、わずかな共とセム族の村を訪れ、グインと再会したのだ。

故郷の村で、スニはついに天寿をまっとうする。
「ごめんなさい、スニ。私が中原に連れ出さなければもっと長く生きられたでしょうに」
「アイー。スニ、リンダ様といろんなもの、見た。いろんなところ、行った。スニ、たくさん楽しかった。リンダ様と一緒、たくさんたくさん、幸せだった。セム、とてもとてもたくさんいる。でも、スニほど幸せなセム、いない。スニ、リンダ様、たくさんたくさん大好き。いっぱいいっぱい、大好きだよ。王様、リンダ様のこと、お願い」
「ああ、このノスフェラスの大地にかけて。リンダを必ず幸せにしてみせよう」
グインの言葉を聞くと「リンダ様、良かったね」と笑い、スニは砂漠に帰るのであった。
このスニの言葉をきっかけに、ともに伴侶を失っていたグインとリンダは、ノスフェラスの地で穏やかな愛を育んでいくのであった。

ランドックの手がかりを求め、グル・ヌーに赴くグイン。
そこで北の賢者ロカンドラスと出会ったグインは、星船とグル・ヌーの秘密、滅び去ったカナンの都の歴史を聞く。
賢者ロカンドラスの下には、一組の男女がいた。スカールとリギアである。
イシュトへの復讐に一生を捧げたスカールであったが、剣を捨て、自らに深い謝罪をする男を切ることはできず、死に場所を探してグル・ヌーへと戻ってきていたのだ。

北の豹と南の鷹、二人があいまみえたとき、世界は動く。
二人に別々に託されていた鍵がそろい、ついに星船の封印は解かれる。
蘇る星船の超化学と歴史。グインはついにランドックの場所を知る。
ランドックとは、星船に乗ってやってきたものの故郷、超越者たちの星であったのだ。

その星船を手に入れて、ランドックを目指そうとするものが他にもいた。
キタイの竜王ヤンダル・ゾックである。
ヤンダル・ゾックはかつて調整者と戦い、この星に不時着した一族の末裔だ。
キタイを征したヤンダル・ゾックは、星船を求めノスフェラスへと魔手を伸ばしはじめた。ヤンダルが星船を手に入れれば、中原が危ない。
逃げ延びたリー・リン・レンや望星教団とともに、ノスフェラスにおいてキタイ軍と戦うことになるグイン。
セムとラゴンを率い、多勢を誇るキタイの魔軍に圧倒されながらも、なんとか戦線を維持していたグインだったが、予想外の事態が戦局を一変させる。
ラゴン族が、グインを裏切ったのだ(伏線消化『ラゴンの反乱』)



ワンポイントレッスン
・超越者ってなに? 調整者ってなに? 具体的にどう違うの?

超越者ってのは精神生命体の人たちです。魔界水滸伝において先住者と呼ばれる人たちと同種のものです。
また、超越者たちは思考を同じくする存在と融合し、パワーアップすることができます。
超越者の中で、宇宙の平和バランスを守る役目をしている人たちを調整者と呼びます。
つまり超越者ってのは種族。調整者ってのは職業です。

調整者は基本的に、銀河帝国の末裔がやっていますが、その中でも最強の力をもつグインだけはちがいます。
グインは宇宙のパワーバランスが崩れたとき、弱いほうに力を貸して均衡にする宇宙の神秘です。その性質上、平穏な世界には破滅を、乱れた世界には平和をもたらします。ゆえに、同じ場所にとどまることができません。とどまると破滅を招きます。
グインは自らその性質をわかっていながら、かつて同じ場所にとどまりつづけ、星間戦争の引き金を引いたことがあります。そのためにランドックから追放されました。ちなみにそのときの戦争相手がヤンダル一族です。

要するに、グインはぶっちゃけ禍津神、つまり魔界水滸伝の主人公、安西雄介と同一の存在です。(人格は違う)

超越者・調整者について詳しく知りたい人は小松左京著「神への長い道」「果しなき流れの果に」を読んでください。つまり、そういうことです。
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 91-95


※実際の展開

グインはクリスタルパレスに乗り込んでアモンくんと色々おしゃべりしたよ
古代機械でワープして、一緒にノスフェラス旅行に行ったよ。
そんで古代機械の電源を落としたよ。
アモンくんがいなくなったからパロは平和になったよ。やったね。
ノスフェラスについたグインはアモンくんを見失ってたよ。
探してたけど、見つからないから、あきらめてグラ爺といっしょにグル・ヌーに星船を見に行ったよ。
ロカンドラスさんにはじめてあったけど気に入られて、星船に入ったよ。
そしたらこんぴゅーたーかグインをグランドマスターと呼ぶよ。どうやら星船はグインのものらしいよ。都合よくアモンくんも星船にいたよ。
勢いあまって星船を発進させたよ。宇宙に向かってGO!
こんぴゅーたーのおかげていろんなことがわかったよ。
ランドックは星の名前で、グインはそこの王様だったけど女神アウラに追放されたんだって。
じゃあ、おれ帰るとこないじゃん!
気付いたグインは、星船のワープ装置を使って、無理矢理地上に帰るのでした。
そうそう、アモンくんはむかついたので、星船の自爆装置をおしてぶっ殺しましたとさ。めでたしめでたし。
でも地上に戻ったグインはまた記憶喪失になってたんだよ。

その頃、中原ではシルヴィアが派手なSEXライフを満喫してたり、イシュトンが「自分の子供怖いよー」とがたがたぶるぶるだったり、いろいろしょーもないことになっていたのでした。


※うな正史

「待つ民」ラゴンは元々、ヤンダルの一族につくられた種族であり「星船の復活を待つ民」すなわち監視役だったのだ。超科学の遺伝子操作によって生み出されたラゴンは、その本能により竜王の一族に逆らうことはできなかった。
キタイ軍を指揮するのは、悪魔の種子アモン。かつてシルヴィアを操り、ケイロニアを混乱の渦に叩き落したグインの宿敵である。
「アモン、我が妻の仇! 貴様だけは許さぬ!」
「おやおや、僕は彼女の悪意を増幅させてだけさ。彼女に嫉妬を、憎しみを植えつけたのはグイン、他ならぬあんたではないか」
「黙れ外道。人は弱い生き物だ。だが、その弱さは罪ではない。弱さを弄ぶ貴様こそが悪なのだ。亡き妻にはいくらでも詫びよう。だが貴様だけはこの俺の手で滅ぼしてくれる」
アモンの軍勢に果敢に挑むグイン。しかし、アモンの魔力は強大であり、キタイの軍勢は強く、離反したラゴンは恐るべき敵であった。

キタイ軍とラゴンに追われ、もはや絶体絶命かと思われる窮地たたされるグイン。
その彼を助けにかけつける軍隊があった。その総数、わずか五百。
竜の歯部隊。かつてケイロニアでグイン自らが鍛えた精鋭部隊である。
グインの噂をきき、矢も盾もたまらず国を捨て駆けつけたのだ。

竜の歯部隊は少数。これだけで戦局は変えられない。
だが、情報こそが戦場においてもっとも重要なのだ。
グインは竜の歯部隊を使い、中原各国に援軍を求める。
「ノスフェラスに、中原の敵あり」
グインの名のもと、中原各国に散るガウス以下竜の歯部隊。

……とはいえ、グインはなかば諦めていた。  いたずらにケイロニアを荒らすのみで、大恩を仇で返すことになった自分。
そんな者に、果たして力を貸してくれるものがあるだろうか。
援軍がこないならば、それでいい。竜の歯部隊に無駄な戦いをさせずに済む。

キタイの猛攻は止まらない。
圧倒的劣勢の中で覚悟を決めるグイン。
もはや、全滅までいくらもかかるまい。ただでさえ劣勢であるのに、敵の軍勢はいまもなお増えつづけているのだ。
次から次へと、砂塵をあげてあらわれてくるのだ。  ……いや、違う。
その時、グインは気付いた。彼らが掲げる、懐かしい旗に!
そう、かつて中原を救った英雄の危機に、各国の勇士たちが立ち上がったのだ!

パロからは賢王レムス一世の信頼も厚いクリスタル公アル・ディーンが。
「そりゃ戦いはいやさ。でも、兄が守った中原を、化け物の好きにさせるわけにはいかないからね」

ゴーラからはイシュトヴァーン王自らが。
「剣は捨てたはずだけどよ、今回ばっかりは勘弁してくれよな、ミロクさん。おれはあいつに助けられてばっかりだったんだ。一度くらい、助けてやっても罰はあたらねえだろ」

アルゴスからはスカール王子を救わんと彼の部の民が。 「スカール様のために死ねるなら、我々はそれで本望」

ケイロニアからは十二神将ゼノンと黒竜将軍トールが。 「オクタヴィア様に怒られてもいい。おれは、王様と一緒に戦いたい」
「冷てえよな、豹頭の旦那は。こんな面白い戦いにおれを呼ばないなんて」

ノーマンズランドの狼王ウーラが。妖魔の魔女王ザザが。
「やれやれ、呼ぶのが遅いんじゃないかい? 王様」

隠者イェライシェとその弟子ヴァレリウスが。
「ようやっと借りが返せそうじゃのう、豹頭王」
「まったく、死んだあとくらい、そっとしてあげられないものですかね。ここは、あの方の眠る場所なんですよ」

闇の司祭グラチウスまでもが。
「中原も星船も豹頭もわしのもんじゃ。あんな竜頭めに好きにさせてたまるかい」

かつてグインと関わったすべての者が、彼を救うためにノスフェラスへと集結する。
人々の思いは、はるかノスフェラスの彼方にただひとつ(『ノスフェラスの彼方』)
「グインを助けるのだ!」

キレノア大陸史上、最大にして最後の戦いが幕を開けようとしていた。



 96-100巻


※実際の展開

グインはどこへ消えた?
チーズを探すようなノリで各国のおえらいさんが集まったよ。
そしたらグラ爺が「ノスフェラスにいるよん」とあっけなく教えてくれたよ。
グイン捜索隊が派遣されたけど、その頃、グインはラゴン族の村でスローライフを満喫してたよ。でもスローライフいくないと気付いて旅立ったよ。
河のほとりでイシュトンの軍隊にあって、いきおいあまってケンカを売ったよ。
そしたらイシュトンに捕まったので、知ったかぶりをして過去の自分の話を聞いたよ。
で、聞き終わったから、逃げたよ。でも捕まって緊縛されたよ。でもまた逃げたよ。そしたらスカールさんに会ったよ。これで百巻だよ。


※うなグイン

各国の救援を得、ヤンダルゾックの先兵アモンを打ち破るグイン。
ついに現れるキタイの全軍と、強大な魔力をほこる竜頭王ヤンダルゾック。
対するは、豹頭のノスフェラス王グインに指揮された、中原の勇士全軍。
ノスフェラスの広大な砂漠が二つの色に染め上げられ、ついに二軍はぶつかり合う。

大陸史上かつてない激しい戦いに、幾人もの勇士が倒れていく。黒太子スカールまでもがついに戦場に散る。(鷹の飛翔))
その戦いに呼応するように、次々と星船の封印は解かれ、エネルギーが高まっていく。封印の解除に従い、グインの記憶と秘められた力が目覚めていく。
そして星船がついに最後のパーツを呼び寄せる。
パロの古代機械。
かつて星船より持ち出され、パレスの地下に隠されていた古代機械は、船の呼び声に応え、自らを星船の中に転送したのだ。
星船は蘇った。すべての封印は解かれ、真実が明らかとなる。

数千年の昔、カナンの都を滅亡させることとなった超越者同士の宇宙戦争。
その結果、この星に不時着した超越者ヤンダルの一族。
そのヤンダル一族の魔手からこの星を守るため、ランドックから派遣された二人の『調整者』こそ、伝説のパロの建国王アルカンドロスとその軍師アレクサンドロスであり、グインはアレクサンドロスその人であったのだ。

肉体のくびきを捨て精神体となった超越者たちは、どんな肉体にも宿ることが出来る。かれら超越者のために作られた強靭な肉体こそが、グインの豹頭族であり、ヤンダルの竜頭族であるのだ。

かつてヤンダル一族の魔手を退けたアルカンドロスとアレクサンドロス。しかしヤンダル・ゾックを滅ぼすにはいたらなかった。ヤンダルの精神体は永い眠りについただけだ。
ヤンダルの船が落ち、グル・ヌーは生まれた。グル・ヌーの瘴気がヤンダルに力を与えるのを防ぐため、星船はグル・ヌーに降り立った。
いつの日かヤンダルが蘇ったならば、復讐のため、星船を手に入れんと動き出すに違いない。二人の調整者はそう確信していた。

その魔手を防ぐため、アルカンドロスは肉体を捨て精神体として代々のパロ王族に宿ることとなり、アレクサンドロスは肉体ごと星船で眠りについた。
パロ戴冠の儀で出会うアルカンドロスの霊とはまさにアルカンドロスその人であったのだ。かつて黒竜戦役のおり、死んだアルドロス二世の体を抜け出したアルカンドロスは、逃げる王女の身に宿り、パートナーであるアレクサンドロスを呼び覚ますために古代機械を動かした。
しかし、永い眠りにより、アレクサンドロスの肉体は記憶を失っていた。覚えていたのはただ一つ、自分の真の名とパートナーの真の名だけだったのだ。

かつてアルカンドロスを名乗り、ランドックにおいて猫頭の女神として君臨していたもの、それこそがアウラであり、リンダに憑いていた預言者の正体であった。グインを追放し、ヤンダルを滅ぼすまで帰還を禁じた彼女であったが、愛する夫を放っておくことはできず、ともにの星に降りてきていたのだ。-
ついに自らのすべてを悟った超越者グイン。
同じく超越者としてすべての力を取り戻したヤンダル・ゾック。
二人の戦いは肉体を捨て、精神体同士の戦いとなる。
一族すべての精神を一つに集め、超精神体となるヤンダル・ゾック。
この星すべてを破壊しかねないそのエネルギーの前に、絶体絶命の危機に陥るグイン。
しかし、この星で出会った多くの人々の想いが、グインに力を与えていた。精神生命体である超越者にとって、人々の想いこそが力であるのだ。

イシュトヴァーンの、ナリスの、カメロンの、アリストートスの、オロの、ヴァレリウスの、マリウスの、オクタヴィアの、スカールの、アムネリスの、アストリアスの、イェライシャの、ロカンドラスの、グラチウスの、リー・リン・レンの、ドードーの、ロトーの、アキレウスの、シルヴィアの、レムスの、そしてリンダの。
かつて中原で出会い、ともに生き、戦ったすべての人々の想いを背負って戦うグイン。
多くの者と出会ってきた。助けてくれた勇者がいた。敵として戦った者もいた。背中を預けて戦った友もいた。命を賭けて守ると誓った女がい、剣を捧げた主君がい、信頼した部下がいた。
その出会いも別れもすべてはこの時のためにあったのだと、グインは知った。
星を救う、そのために。
すべての恩讐をこえ、みなの想いはただ一つ。
「この地に平和を!」

人類は、ついにヤンダル・ゾックから解放された。

パロは賢王レムス一世のもと、かつて栄華を取り戻すことに成功する。
クリスタル公アル・ディーンとケイロニア帝オクタヴィアの夫婦関係も明らかにされ、ケイロニアとパロの親睦を深まらせることとなる。
レムス一世の名はパロ中興の祖として長く語り継がれることとなるのであった

ゴーラはミロクの教えのもと、平穏な国となる。
イシュトヴァーンの長子ドーリアンは、ケイロニアの皇女マリニアの婿として迎えられケイロニア帝となり、三大国が婚姻で結ばれたことによって、中原はかつてない繁栄を迎えることとなるのであった。
そして、ゴーラ帝国はやがてミロク教国と名を変え、数百年に及ぶ歴史を築く。
イシュトヴァーンはこの中原に類を見ない平穏な国の建国王として、歴史に名を残すのであった。

ノスフェラスは星船を失い、緩やかにではあったが、もとの緑の大地へともどりつつあった。
ヤンダルの消滅とともにカナンの亡霊も消え去り、ラゴンもまた宿命から解放された。
ノスフェラスは、今は去りし王の名前を永遠に忘れないであろう。

ヤンダル・ゾックを滅ぼし、ついに幾千年に及ぶ贖罪を果たしたグインは、蘇った星船に乗り、ランドックへの帰還を果たすこととなる。その傍らにはアウラとして目覚めたリンダの姿があった。
すべての人に惜しまれながら、豹頭王とその花嫁を乗せた星船は、星空の彼方へと去っていった。

英雄の時代は過ぎ去った。
あとにはただ、英雄譚が残った。
偉大なる豹頭の英雄王、グインのサーガが。


<星より来たりし豹頭の王
星を救い、花嫁を連れ
星の彼方へと去る>

『豹頭王のサーガ』より




GUIN・SAGA  完











 あとがきとおまけ 〜うなぎご満悦フェア〜


どうであったろうか?
これは少年漫画なんじゃないか?と思ったであろうか?(いいえ、テレビゲームです。SFCくらいの)
SF設定が古いと思ったであろうか?
それともさすが小松先生の名作はいつになっても古びないわいと思ったであろうか?
うなぎは痛いな、と思ったであろうか?
うなぎは暇なのかな、と思ったであろうか?
こんなうなグインでも書くのに丸一日を要したのだが、どうであろうか?
さらに手直しに丸一日費やしたがどうであろうか?
みんなもう、グインサーガなんてどうでもいいのだろうか?
「小説で書くんですよね?」とかいうWEB拍手が一件あったが、嬉しいけど正直いろんな意味で勘弁なのだがどうだろうか?
ゲームっぽく大団円にすりゃいいんだろ、と思ったが、実際にやってみるとけっこうアレだったが、どうだろうか?
ノスフェラスに全軍そろって大決戦のあたりは、栗本薫が大好きな火星シリーズの大決戦の場面を意識したのだがどうであろうか?
自分の頭の中では自分正史による名場面がいろいろと駆け抜け、もう本当にグイン・サーガが完結したかのような感覚なのだが、どうであろうか?
これもまた、解脱の一つの方法なのであろうか?
ついでに、適当に考えたつじつま合わせの設定もあるのだがどうだろうか?


うな解釈によるグイン設定

・ヤヌス12神

アルカンドロス・アレクサンドロスが持ち込んだランドックの神話です。
神話というより、ランドックのおえらいさんたちのことです。
超越者であるヤンダルの一族と戦うため。また彼らの復活を阻止すため、中原を一つにまとめる必要性を感じたグインとアウラは中原を統一、パロを建国し、文明を発展させました。-  その際、共通の神話が必要だと思ったグインは、ランドックの人たちのことを神話の形にして流布させたのです。

またこの統一の際、グインは魔道文明は廃止するように仕向けています。
魔道を極めたものは超越者となり得るし、超越者はヤンダルと融合してしまう危険をはらんでいるからです。
ちなみに魔道のうち、超越者にいたらないもののみを白魔道と名づけて許しました。魔道士ギルドは黒魔道を取り締まるための組織です。

古い人々の中には、アグリッパのように魔道の力を持って、単身で超越者になったものもいます。かれら超越者たちは、グインの情報操作でヤヌス12神と誤認されていますが、実際は全然違う人たちです。
悟りを開きこの星の観測者となった人(ヤーンと呼ばれています)、強大な魔力で超越者となったが正気を失い封印された人(ドールと呼ばれています)などがそれにあたります。


・グイン世界の異形たち

大別すると4種類です。
もとから変な生き物。
放射能で変異してしまった生き物。
宇宙からやってきて住み着いた外来種族。
ヤンダル一族によって遺伝子改造された種族。
です。
ノスフェラスの化け物はたいてい放射能。
「紅蓮の島」に出てきた巨人や「氷雪の女王」に出てきたガルムが遺伝子操作。
セム族は放射能で変異したカナンの人間の末裔であり、ラゴンはヤンダル一族によって改造された種族。
キタイに住む土地神らが宇宙からやってきた外来種族。
となります。
ちなみにかつてイシュトヴァーンが見たランドックの船は、大昔にランドックからやって来て土着した外来種族の乗っていたものです。


・レムスとリンダの双子設定って意味があったの?

うなグインではあります。
アウラ=アルカンドロスの霊は、双子の父、アルドロス二世に宿っていました。 が、黒竜戦役で殺されてしまいます。
死体からはじき出される形となったアルカンドロスは次の肉体を求めますが、だれでもいいというわけではありません。
超越者をおさめるにはそのために最適化された肉体が必要であり、パロ王家の肉体こそがいわゆる憑依体質なのです。アルカンドロスがそういう風に作ったんです。
王族の純血がかたくなに守られているのは、この特性を失わせないためです。

アウラは元々女性であるため、女性に宿ったほうがより強く本来の力を発揮できます。それが預言です。
ですが、問題が一つ。女性の体は性交の際、相手の魂と感応してしまいます。
要するに、SEXすると男のほうにアウラの魂は移ってしまいがちなのです。
男性の体ではアウラの能力は発揮されません。来るべき戦いに備え、静観するだけです。
純潔を失うと預言者の力を失う、というのはこういうことです。

超越者といえど、あまりむやみに肉体を変えることは好ましくありません。
よって、アルドロス二世が死んだときも、アウラは世継ぎの男子、つまりレムスに憑依するつもりでした。
ところがレムスとリンダは双子。どちらも幼く、心身ともに見分けがつかないほどだったため、急いでいたアウラは間違えてリンダの肉体に宿ってしまったのです。
つまり、このための双子設定です。

ノスフェラスであの一行の中でなぜレムスがカル=モルに憑かれたのか。その答えもここにあります。
とり憑くなら憑依体質がいい。しかしリンダはすでにアウラに憑かれている。よって、カル=モルの選択肢はレムスしかなかったわけです。



ええい、ついでだ!
いまでっちあげた主要人物のその後も追加だ!

・イシュトヴァーン
酒も女も断ってすごくいい人になってます。
口の悪さだけは終生なおりませんでしたが、他人にやさしくし、感謝されることの気持ちよさに目覚めた彼は、気持ち悪いくらいに聖人そのものになりましたとさ(紫堂恭子の『グラン・ローヴァ物語』の最後を連想してもらえると、ものすごくわかりやすいです)
後年、彼の尽力する姿を見て、民がこう訪ねました。
「なぜ王である貴方がここまで私たちのために尽くしてくださるのですか?」  彼は笑って答えました。
「王様ってのはよ、お前たちみんなの親父みてえなものだ。親父が息子を助けるのに、理由なんかいらねえだろ?」

・マリウス
レムスの強い要請により、兄のあとをついでクリスタル公になりました。
もともと人に好かれる性質であり、天才的な歌い手である彼は、ナリスとは別の形で人々に慕われるクリスタル公になりました。
とはいえその放浪癖はおさまらず、時折ふらっといなくなることも。
妻に会いに行くという名目でケイロニアとパロを行ったり来たりしながら、合間合間に物見遊山も楽しんでいます。また、諸国の視察や外交を名目にいろんな国に旅行にも出かけています。宮廷は息苦しいと思っていた彼ですが、ここまで偉くなるとけっこう好き勝手にできると気づいたようです。

・レムス
元々パロの闇王朝を再来させるといわれていたレムスくん。
その運命はナリスが肩代わりしてくれました。
そんなわけで、ナリスへの負い目を感じた彼は、いい子になりました。
そしたら周りの扱いが格段に良くなって、ますますいい子になりました。
元々ちょっと頭が悪いくらいにいい子だったので、あとは普通にいい王様をやってます。

・スカール
もともとヨイヨイだった彼は、最後の大戦の時、死にました。
彼の勇敢な死によって、全軍の士気があがったとかなんとか。
死に場所を探していた彼的には大満足です。

・グラチウス
ドール教団はヤンダルに乗っ取られてたので、最後の大戦の際、壊滅しました。 居場所をなくし、力の大半も使い果たしたし、グインも手に入れられなかったお爺さんですが、さすが八百年生きてるだけあって、しぶといです。
いつかまたチャンスがめぐって来ると信じ、今日も魔力をたくわえているそうです。

・ヴァレリウス
イェライシャのもとでナリスの喪に服しながら修行をしていたヴァレくんですが、最後の大戦のおりに再会したマリウスから、けっこういいかげんなことになっているパロの内政を聞き、頭を抱えてパロに戻りました。
その後、宮廷一のやかまし屋として元気にレムスを補佐しているそうです。

・リギア  スカールまで死んでしまい途方にくれていたリギアですが、マリウスやヴァレリウスについてパロに戻りました。
その後はヴァレリウスと一緒に故ナリスの悪口を言うのが趣味となり、今では友達以上恋人未満の関係です。

・オクタヴィア
もともと女王様気質の人だったので、普通に女帝をやっています。
夫とは年に数回しか会えませんが、むしろそれくらいがちょうどよい距離感の夫婦だったので、問題はありませんでした。
ちなみに尚武の国であるケイロニアの民は、彼女の旦那のことを「腐ったヴァシャ果のような奴だ」と嫌っていましたが、ケイロニアを訪れるたびに素晴らしい歌を残していく彼にだんだんと心を許し、むしろ感化されて詩吟の文化を開花させました。
勇猛な歌が好まれるケイロニアで最も流行した歌は、もちろん『豹頭王のサーガ』でしたとさ。 ・リー・リンレン
ヤンダル・ゾックの死後、混乱のうちにあるキタイを治め、結局王様になりました。

・望星教団と教主ヤン・ゲラール
望星教団というのは、もともと超越者にあこがれたものがつくった組織です。
肉体を捨て精神のみになる、ということを短絡的に考えた結果、死ねばいいじゃん的な間違いを出して数千年。超越者となったグインにより自分たちの過ちを気付かされたヤン・ゲラールは教団を解散。今では市井の人間として普通に暮らしていますが、薬ぎれで大変なことになったりもしてます。

・アンダヌスとヨオ・イロナ  適当に話に絡ませたまま、フォローもなくフェイドアウトさせてしまっていたな。
えーと、ケイロニア-ゴーラ戦役の際、ゴーラに加担していた二人は失脚。
命までは取られなかったものの、沿海州での地位は限りなく低くなりました。
が、元々生命力豊かな方々なので、いまにまた復権するだろうともっぱら評判です。

・わしはク・スルフというものじゃよ
うなグインでは出てきてません

・スーティちゃんは? あの可愛らしいスーティちゃんはどうなったんですか?
フロリーともども、うなグインでは出てきていません。
が、もし後伝を作るなら、腹違いの弟ドーリアンとの間の確執を描いたものができあがるでしょう。
まずしい家庭に育ち、腹違いの弟を憎むスーティと、偉大すぎる父のもとで苦しみ自由になりたいと願うドーリアン。ひょんなことから出会った二人がお互いの苦しみを分かち合い、人間的に成長してわかれる、みたいな話だと思いますね。



どうであろうか? まるでファンのようではないか(ファンです)
ちなみに、今回、うなグインをたらたら書き終わったあと、いろいろとグインのあらすじやら設定やら矛盾点やらをまとめたサイトをいくつか見て回ったのだが、まー、なんつうか、けっこういろいろ設定があったんだなー、と驚くことしきり。 うなグインでもまったくフォローできないところ多数ですが、そこはあきらめてください。無理です。きっと栗本先生本人でも。
でもまあ「ここの辻褄合わせてみろよ」とか「あのキャラは見せ場ないの?」みたいな意見があれば、その場でひねり出します。気が向けば。

そんなわけで、おれがご満悦したので、うなグインサーガを終える。
いやあ、面白かったなあ、グイン・サーガ!
さあみんな、声を合わせてともにこう叫ぼうではないか。
ありがとうグイン・サーガ! 青春をありがとう! と。
おしまい。





(09/11/26 追記)
上記うなグインサーガなど、サイト内の文章をまとめ、「うなグインサーガ名場面集」などの書き下ろしを多数追加した栗本薫同人誌を作りました。よろしければご覧になってください。紹介および通販ページは以下より。
栗本薫薫同人の紹介ページ






 

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